保険|リスク管理

将来の保険選びに役立てる|定期保険と終身保険の違い

2024年2月2日

Aki

FP資格を取得したことで、知識が人生を豊かにすることの重要性を実感。 ライフプランニングとファイナンシャルプランに関する情報を発信し、多くの人々がより良い未来を築くためのサポートを提供していきたいと考える。 個人事業主様相談サイトLittle Space1を運営。 ご相談可能コンテンツ:WEBページ制作、WEBライティング、SEOコンサルティングetc >>>詳しくはこちら<<<

FP(ファイナンシャルプランナー)の資格試験では、「定期保険」と「終身保険」に関する問題が多数出題されます。問題はその場で解くことができますが、現実ではそれらの保険を適切に管理しなければならないので、頭を悩ませることが少なくありません。

保険の見直しは、結婚や子供の誕生、住宅購入、キャリアの変化など、ライフステージや経済的状況が変化するにつれて保険ニーズは変化するものです。適切な知識を身につけておくことで、今後のライフステージの変化に対応した保険を選択することが可能となります。

今回はその中でも、定期保険と終身保険について、それぞれの特徴に焦点を当て掘り下げていきたいと思います。

この記事で分かること

  1. 定期保険と終身保険の基本的役割
  2. 定期保険と終身保険の見直し時期

定期保険の基本

定期保険とは、一定期間を保障する保険のことを指します。

定期保険は、契約期間内に死亡や高度障害などの場合に保険金が支払われるタイプの、掛け捨て型の保険です。途中で解約すると、返戻金が少ない特徴がありますが、終身保険よりも保険料が安く、安定した保障を得ることができます。

定期保険には、保険期間が長期にわたる「全期型」と、保険期間を10年、15年などと区切り、保険期間が満了したら契約を更新する「更新型」の2種類があります。

「全期型」は保険期間中の保険料が一定ですが、「更新型」は、10年、15年など決められた保険期間が終了するごとに保険料が見直されます。

また、定期保険には、保険金が減額していく逓減定期保険や、年金形式で受け取る収入保障保険など、いくつかの種類に区分されます。

Aki
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定期保険って字の如くの意味ですが、実際はちょっと複雑だったりします。

まずは定期保険にはどのような種類の保険があるか見ていきましょう!

定期保険の種類

定期保険にはいくつかの種類があります。以下は定期保険の主な種類です。

死亡保険付き定期保険
一定期間(例えば10年間、20年間など)のみ死亡保障が提供される保険です。保険期間内に被保険者が死亡した場合、指定された死亡給付金が受け取れます。

傷害保険付き定期保険
死亡保障の他に、事故や怪我による傷害に対する保障も適応される保険です。

団体定期保険
企業や団体が従業員のために取り扱う保険です。集団での契約のため保険料が割安になることがあり、会社が保険料を負担する場合は全額損金算入することができます。

収入保障付き定期保険
被保険者が死亡した場合、その家族や収入に依存している人々に定期的な収入が支給される保険です。死亡給付金を一括で支払うのではなく、収入の補填として定期的な支払いが行われます。

医療保険付き定期保険
被保険者が特定の疾病に罹患した場合に、医療費や治療費をカバーする保険です。例えば、がん保険や重大疾病保険がその一例です。

借入金保障付き定期保険
貸金業者からの借入金や住宅ローンなどの債務が残っている場合に、被保険者の死亡に備えて借入金の返済を保障する保険です。借入金が残っている場合でも残債をカバーするための保険金が支払われます。

逓減定期保険
時間の経過とともに保険金額が減少していく保険です。保険期間中、支払う保険料を一定に保てるため、子どもがいる家庭におすすめな保険です(子供の成長によりリスクを抑えることが可能のため)。また、普通の定期保険と比較すると、トータルの保険金額が少なくなるので、保険料が比較的安価で設定できるのも特徴です。

以上が定期保険の主な種類となります。

定期保険には様々な選択肢があり、それぞれの特徴や利点が異なることがわかります。例えば、収入保障付き定期保険では、定期的な収入が支給される保険であり、逓減定期保険は保険金額が減少していくタイプの保険で、子どもがいる家庭などに適している特徴があります。

定期保険のメリットとデメリット

定期保険は、保険期間が終了するまで一定の死亡保障などがあり、保険料が比較的安価です。また、保険期間が決まっているため、補償内容を見直しやすいメリットがあります。ただし、保険期間が終了すると保険金が支払われないだけでなく、更新時には保険料が増加するなどのデメリットがあります。

以下は定期保険のメリットとデメリットを比較した図です。

メリットデメリット
保険料が割安(貯蓄型保険と比較した場合)解約返戻金がなく、貯蓄性が乏しい
保証が手厚い満期をもって保証が終了
保証の見直しがしやすい更新時に保険料が上がる(同額更新した場合)
図1:定期保険のメリットとデメリット比較

終身保険の基本

終身保険とは、被保険者が死亡するまで一生涯保障が続く保険です。

更新や保険料の上昇がなく、保障期間が長い特徴があります。そのため、定期保険よりも保険料が高くなります。

途中解約時には解約返戻金が受け取れるため、貯蓄機能に優れています。さらに、高齢になっても保障が続くため、主に葬儀費用の準備目的で利用されることが多く、相続対策にも活用できるメリットがあります。

終身保険の種類

終身保険にはいくつかの種類があります。以下は終身保険の主な種類です。

低解約返戻金型終身保険
払込期間中に解約した場合の返戻金を比較的低く設定した保険です。保険料を抑えつつも一生涯にわたる死亡保障を確保できるというメリットがあります。

積立利率変動型終身保険
加入時の予定利率が保険期間中に変動する積み立て型の保険です。市場金利が上昇すると解約返戻金も増加するため、インフレリスクに対して強い特徴があります。ただし、将来の解約返戻金が確定していないため、予定受取額よりも少ない返戻金となる可能性もあります。

変額保険(終身型)
積立部分を株式や債券などの投資商品で運用する保険です。死亡や高度障害状態となった場合には最低保証がありますが、運用成績によって保険金額や解約返戻金が変動し、運用の結果次第では元本を下回ることもあります。

外貨建て終身保険
外貨建て保険は、払い込んだ保険料が外貨で運用される終身保険です。保険料は原則として米ドルや豪ドル、ユーロなどの外貨で支払い、保険金や解約返戻金なども外貨で受け取ることができます。ただし、特約を付加することで保険料の払込みや、保険金、解約返戻金の受取りを日本円でできる商品もあります。

上記は代表的な終身保険の種類を挙げました。これらの保険商品はそれぞれ異なるリスクやメリットを持っています。低解約返戻金型終身保険は安定感がありますが、解約時の返戻金が少ない点を考慮する必要があります。一方、積立利率変動型はインフレリスクに強く、市場の動向に合わせて柔軟に対応できますが、返戻金が不確定であることに注意が必要です。

終身保険のメリットとデメリット

終身保険は、葬儀費用を準備したい人に向いています。自身の終活時の為に検討されている方も多いのではないのでしょうか。

何歳になっても保障が続く終身保険の場合、中途解約をしない限り、長生きしても死亡保障で備えられます。そのほか、終身保険は一生涯保障が続くことから、相続対策を考えている人にも向いています。

では、以上をふまえた上で、メリット、デメリットを見ていきましょう。

メリットデメリット
保険料は一定保険料が割高(定期保険と比較した場合)
貯蓄債がある解約返戻金保険料を下回る可能性(中途解約の場合)
必要な期間の保証を手厚くできる細かい保証や条件の見直しが難しい
図2:終身保険のメリット、デメリット比較図
Aki
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保険料が生涯一定である終身保険は魅力的ですが、定期保険と比較すると保険料は一般的に割高になります。しかし、それぞれの保険には異なる用途がありますので、まずは自身のライフスタイルや将来のファイナンシャルプランを策定することが重要です。

保険の見直し時期は?

では、ここからは保険の見直しをするタイミングについて見ていきましょう。

主に以下の3つのタイミングで見直しを行うことができます。

1.ライフステージが変化する場合

ライフステージの変化時には、具体的な状況に応じて保険内容を見直す必要があります。たとえば、結婚や出産を機に、家族の人数や生活費が増えるため、死亡保障や医療保障の拡充が必要になります。また、子供の独立や定年退職を迎えると、生活スタイルや収入源が変わるため、保険の必要性や内容も変わってきます。

2. 定期保険を更新する場合

定期保険の更新時には、保険期間が終了する10年や20年ごとに、家族の状況やライフプランに合った保障内容を再考する必要があります。たとえば、子供が独立したり、住宅ローンが完済したりすることで、死亡保障や医療保障の必要性が変わってきます。

3.保険料の負担が家計を圧迫している場合

保険料が家計を圧迫する可能性があります。子供の成長に伴う教育費や生活費の増加、経済的な不安定要因(例えば不景気による収入減)などがあると、月々の保険料の支払いが難しくなる可能性があります。その場合は、保険料支払いの負担を軽減するために、保険内容の見直しや、支払い方法の変更などの対策が必要です。

保険を見直す際に重要なこと

まず、保険を見直す際の重要な要素は、必要な保障と保険料のバランスです。保険は将来のリスクに備えるためのものですが、支払い負担が大きすぎると家計に負担がかかります。そのため、必要な保障を確保しつつ、支払い額が家計に無理のない範囲内に収まるように保険を選ぶことが重要です。

次に、保険の保障期間です。定期保険は一定期間のみ保障を受けられるため、安価で短期のリスクに対処できますが、保障が満了後になくなるというデメリットがあります。一方、終身保険は一生涯保障を受けられるため、老後のリスクもカバーできますが、保険料が高額で長期間支払う必要があります。

そして最後に、保険金の受取人を見直すことも重要です。保険金の受取人は加入時に決めますが、人生の変化に合わせて見直すことができます。結婚や子供の出産などで家族構成が変わった場合、受取人を変更して誰にお金を遺したいかを考慮することが重要です。

Aki
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保険選びに迷ったらFP(ファイナンシャルプランナー)に相談してみましょう!保険・リスク管理だけでなく、資産形成からタックスプランニングまで幅広い分野での味方になってくれます。

まとめ:定期保険と終身保険の違い

今回の記事のまとめです。

定期保険は一定期間のみ保障を受けられ、保険料が比較的安価な保険です。短期のリスクに対処する際に適していますが、保障が期間満了後になくなり、保険料が増加するデメリットがあります。

終身保険は一生涯保障を受けられる保険です。老後のリスクもカバーでき、保険料が一定であるメリットがあるが、定期保険と比較すると高額で長期間支払う必要があります。

人生の様々な段階で、保険の補償内容を見直すことが重要です。家族構成やライフスタイルが変化する可能性があるため、現時点で必要な保障を確保することは大切であり、家計を圧迫しない保険料を選ぶことも大切な要素となります。

ライフステージに合わせて保険を適切に見直すことで、将来に向けての備えとなります。