『新築と中古では、住宅ローン控除の適用はどう違うの?』
住宅ローン控除は、住宅購入者にとって大きな節税メリットがある制度です。
しかし、新築住宅と中古住宅では、適用条件や控除額に違いがあることをご存じですか?
この記事では、新築住宅と中古住宅それぞれの住宅ローン控除について、ポイントを解説していきます。
この記事で分かること
- 新築住宅で住宅ローン控除を受ける際のポイント
- 中古住宅で住宅ローン控除を受ける際のポイント
新築住宅で住宅ローン控除を受ける際のポイント
それではまず、新築住宅で住宅ローン控除を受ける際のポイントを見ていきましょう。
冒頭でもお伝えした通り、住宅ローン控除は購入する住宅の種類によって、適用条件や控除額が異なります。
ここでは、新築住宅で控除を受けるために押さえておきたいポイントを解説します。
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住宅ローン控除の概要については、以下の記事をご覧ください。
住宅ローン控除の基本条件:新築住宅編
新築住宅を購入した場合、住宅ローン控除を受けることができます。
この控除は、住宅ローンの年末残高に基づいて計算され、一定の要件を満たす場合に適用されます。
新築住宅における住宅ローン控除の特徴を、以下4つにまとめます。
1. 新築住宅の要件
新築住宅に関する住宅ローン控除を受けるためには、以下2つの要件を満たす必要があります。
①住宅の床面積
新築住宅の床面積は、50平方メートル以上でなければならない。
➁住宅の取得対価
新築住宅の購入価格が一定額以上であることが求められる。
2. 住宅ローン控除の対象となる借入金
新築住宅の場合、住宅ローン控除の対象となるのは、以下のような条件を満たす住宅ローンです。
①借入期間
住宅ローンの借入期間が10年以上であることが必要。
➁借入金額の上限
住宅ローンの年末残高が最大4,000万円まで控除対象(2025年1月現在)。
3. 控除額の計算方法
新築住宅における住宅ローン控除額は、年末の住宅ローン残高に基づいて計算されます。
①控除率
年末残高の1%が控除額として適用。
例えば、年末残高が2,000万円の場合、控除額は20万円(2,000万円×1%)となります。
➁控除期間
最大10年間、毎年控除が受けられる。
4. 控除額の適用期間
新築住宅における住宅ローン控除は、原則として最大10年間適用されます。
ただし、特例措置により、最大13年間の控除が適用される場合もあります。
この特例を受けるためには、所定の条件を満たす必要があります。
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各年の控除額の計算は、居住を開始した年によって異なるため、詳細については国税庁の公式サイトをご参照ください。
参照サイト
・No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁
中古住宅で住宅ローン控除を受ける際の注意点
次に、中古住宅で住宅ローン控除を受ける際の注意点を見ていきましょう。
新築住宅と大きく異なる点として、中古住宅には「築年数」や「耐震基準」といった条件が影響します。
これらの条件が控除の適用にどのように関わるのか、この章で詳しく確認していきましょう。
住宅ローン控除の基本条件:中古住宅編
中古住宅を購入した場合、住宅ローン控除を受けるためにはいくつかの要件を満たす必要があります。
以下に、その主な要件と特徴を整理します。
1. 居住要件
①取得から6ヶ月以内に居住
中古住宅を購入した場合、その取得日から6ヶ月以内に居住を開始しなければならない。
➁引き続き居住していること
住宅ローン控除を受けるためには、取得した年の12月31日まで、その住宅に引き続き居住している必要がある。
2. 住宅の床面積および所得制限
①床面積の要件
中古住宅の床面積は、50平方メートル以上で、かつその床面積の半分以上が自己の居住のために使用されていることが求めらる。
➁所得制限
住宅ローン控除を受けるためには、その年の合計所得金額が3,000万円以下でなければならない。
3. 借入金の返済条件
③10年以上の分割返済
住宅ローン控除を受けるためには、住宅購入のための借入金について、10年以上の分割返済が必要。
④借入金の対象
住宅ローン控除の対象となる借入金には、住宅本体の購入費用だけでなく、その住宅とともに購入した敷地の費用も含まれる。
4. 耐震基準の適合または耐震改修
①耐震基準の適合
中古住宅が、購入時点で耐震基準に適合している必要があります。
➁耐震改修の実施
もし購入した中古住宅が耐震基準を満たしていない場合、耐震改修を行うことが条件。特に、平成26年4月1日以降に購入した住宅では、改修を行いその証明書を提出することで、住宅ローン控除を適用することができる。
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耐震基準の適合や耐震改修に関する情報は、下記のサイトでご確認いただけます。
参照サイト
・No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁
新築と中古、どちらが有利?住宅ローン控除の比較
新築住宅と中古住宅の控除条件については、先の章までで解説した通り、それぞれに適用条件が設けられています。
最後に本章では、新築住宅と中古住宅を購入する際に考慮すべきメリットとデメリットを整理し、それぞれの選択がどのような影響をもたらすのかを解説します。
新築と中古で異なるメリット・デメリット
新築住宅と中古住宅の購入時におけるメリットとデメリットは、それぞれ以下の通りです。
新築住宅のメリット
①最新設備や性能
・最新の省エネ設備や防音性能、耐震性が備わっている。
・長期的なメンテナンス費用が抑えられる場合が多い。
➁保証が充実
・新築住宅は「住宅瑕疵担保責任保険」により、10年間の保証が義務付けられている。
・修繕が必要な場合でも、コスト負担が少なくて済む。
③資産価値が高い(購入時点)
・購入直後の資産価値は高いため、売却時に利益が出やすい可能性がある。
④カスタマイズ可能
・注文住宅の場合、間取りや設備を自由に選べる。
新築住宅のデメリット
①価格が高い
・中古住宅に比べて購入価格が高いことが一般的。
・立地や設備にこだわると、さらにコストがかかる。
➁資産価値の減少
・購入直後から価格が下がる傾向がある(築年数とともに下落しやすい)。
③立地選択肢が限られる
・希望するエリアでは新築が少ない場合がある。
中古住宅のメリット
①価格が安い
・新築と比べて購入価格が安く、同じ予算で広い物件や好立地が選べる可能性が高い。
➁選択肢が豊富
・立地や環境を優先した選び方がしやすい。
・築年数や間取りのバリエーションが多い。
③即入居可能
・リノベーション済み物件の場合、購入後すぐに住める。
④リノベーションの自由度
・コストを抑えつつ、自分好みにリノベーションができる。
中古住宅のデメリット
①修繕費用がかかる
・築年数が古い物件は修繕が必要になることが多く、費用が嵩む可能性がある。
➁設備が古い
・新築と比べて省エネ性能や耐震性で劣る場合がある。
③保証がない場合が多い
・瑕疵担保責任が切れている物件もあるため、購入前の調査が重要。
④住宅ローン控除で不利な場合がある
・控除対象となる元本や利子に違いがあるため、新築より控除額が少なくなる可能性がある。
新築と中古、選ぶ際のポイントとは?
新築住宅と中古住宅の選択は、ライフスタイルや予算、さらには将来の生活設計に大きな影響を与えます。
そのため、新築と中古、それぞれに独自のメリットとデメリットがあるため、購入時にどのような点を重視するかを明確にすることが重要です。
物件購入時のポイント
新築:「最新設備」や「保証」、「快適性」を優先する人向け。
中古:「価格」や「立地」、「リノベーションの自由度」を優先する人向け。
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住宅ローン控除や住宅ローンについては、他の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
参照サイト
・フラット35のメリットを最大限に活かす|住宅ローン
・一括返済前に知っておきたい!資産形成の観点から見る住宅ローン
まとめ
今回の記事まとめです。
新築住宅と中古住宅では、住宅ローン控除の適用要件が異なります。
新築は購入価格や借入金額の上限が設定されていますが、特に耐震基準や改修が不要です。
一方で、中古住宅は耐震基準に適合することや、一定の返済条件、居住要件が求められます。
購入前にこれらの条件を確認し、適切な選択をすることが重要です。