投資|資産形成

アメリカの資産形成スピードに学ぶ投資法

2024年5月11日

Aki

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資産形成において、日本は貯金大国と言われています。実際、筆者の周りでも、資産運用をしている人よりも、貯金に資金を当てている人の方が断然多いです。

一方で、アメリカは日本と比較しても、国民一人一人が資産運用における意識が高く、資産形成においても、形成までのスピードが速い特徴があります。

資産形成が速いことは、将来の経済的負担を軽減するメリットを含んでいます。

この記事では、日本とアメリカの資産形成における意識の違いと、それに伴う資産形成の方法に焦点を当てます。

この記事で分かること

  1. 資産運用におけるアメリカの資産形成
  2. 日米それぞれの資産形成の違い
  3. 日本における有効な資産運用法

※この記事のタイトルはアメリカの資産形成に学ぶ投資法というタイトルですが、アメリカ人の資産形成における投資法に焦点を当てた記事となっています。

アメリカの資産形成に学ぶ投資法

なぜアメリカの資産形成に学ぶ必要があるのか。それは、アメリカの資産形成において、株式や投資信託などの投資が多く占めるためです。

アメリカの資産形成の特徴

アメリカの資産形成の特徴にはいくつかありますが、その主な3つを以下に簡潔にまとめます。

  1. 積極的な資産運用意識
    アメリカでは、投資や資産形成に対する意識が高く、個人投資家や機関投資家が市場に積極的に参加している。
  2. 税制の影響
    アメリカの税制は資産形成に影響を与える重要な要素であり、特典や節税手段を活用して投資収益の最大化や資産の成長を促進している。
  3. 先進的な投資アプローチ
    アメリカの投資家やファイナンシャルプランナーは、ポートフォリオの多様化やリスク管理、長期的な視野に基づいた投資など、先進的な投資アプローチを積極的に採用している。

アメリカと日本の資産形成を比較すると、最も異なる点は資産形成に対する意識の違いです。

アメリカでは、多くの人々が資産形成を積極的に考え、投資や貯蓄を通じて将来の経済的安定を追求します。一方で、日本では貯蓄志向が強く、安全な資産(主に預金公的年金)への投資が一般的です。
また、アメリカではリスクを取りながらも高いリターンを追求する投資文化が根付いており、株式不動産などのリスク資産への投資が一般的です。

これに対し、日本では安定した収益を重視する傾向があり、リスクを避けるために保守的な資産運用が好まれます。

資産形成の重要性

資産形成の重要性は多岐にわたります。以下に、その主な理由を3つ挙げます。

経済的安定と自立の可能性
資産形成は、将来の経済的安定と自立を確保するための基盤を築くことにつながります。投資や貯蓄を通じて資産を増やすことで、将来の財政的ニーズや目標を達成するための資金を確保できます。

生活の品質向上
ライフプランニングの品質向上にも貢献します。十分な資産を持つことで、教育、健康、余暇などの重要な生活目標を達成するための資金を手に入れることができます。

不測の事態への備え
健康問題や失業などの、不測の事態に備えるための重要な手段です。ライフプランニングの予期せぬ出来事に備えるために、適切な資産を持つことは重要です。

Aki
Aki

資産形成はライフプランニングにおいても重要な要素となります。特に不測の事態への備えは、資金が必要となるケースが多く、そのためには早い段階での資産形成が重要です。

アメリカでの資産形成スピードが速い理由

アメリカでの資産形成スピードが速い理由は、資産運用の内訳の違いが大きな要因です。先ほど述べたように、日米の個人の資産形成の違いは、資産形成への意識の差によるものです。ここでは改めて、日米それぞれの資産形成の内訳を見てみましょう。

図1:米日の個人金融資産内訳図
引用サイト:野村アセットマネジメント:「米国と日本の個人金融資産の構成比較」

上記図1のグラフが示す通り、アメリカの資産形成では、株式と投資信託が合わせて51%を占めています。一方で、日本の資産形成では現金や預金が54.3%となっています。

この違いが資産形成のスピードにどう影響するかという点について考えてみます。

株式や投資信託などの投資は複利の恩恵を受けることができるという大きな利点があります。一方、現金や預金は運用されていないため、資産の増加に直接貢献しません。そのため、株式などの運用により資産が複利効果によって指数関数的に増加することが可能となります。

アメリカの長期資産運用戦略

資産運用は長く続けることでリスクを抑えられます。しかし、投資を行うことが必ずしも資産を増やせるとは限りません。株や投資信託、不動産などのリスク資産の価格はプラス方向だけでなく、マイナス方向にも振れるため、価値が減少する可能性もあります。こうしたリスクを抑える方法の一つとして、長期投資が挙げられます。

長期積み立て投資

長期積み立て投資は、投資家が定期的に一定期間ごとに一定額を投資に積み立てることで、長期的な資産形成を目指す投資戦略です。特にアメリカの場合、長期積み立て投資は非常に一般的であり、多くの個人投資家や機関投資家が採用しています。

アメリカの長期積み立て投資には以下の特徴があります。

  1. 経済成長の恩恵を享受
    アメリカは世界最大の経済大国の1つであり、長期的に見て経済成長が期待されています。そのため、長期積み立て投資を行うことで、アメリカの経済成長に連動して資産の成長を期待することができます。
  2. 投資機会の多角化
    アメリカは多様な投資機会が存在し、株式市場や債券市場、不動産市場などが発展しています。投資家はこれらの市場を通じて長期的な成長を狙うことができます。
  3. 複利の活用
    長期積み立て投資では複利の力を最大限に活用することができます。積み立てた資金が成長し、その成長分もさらに投資に回されることで、長期間にわたって資産を増やすことが可能です。
  4. 税制上の優遇
    アメリカでは長期的な投資に対して税制上の優遇措置が存在します。たとえば、長期保有によるキャピタルゲイン税の軽減や、個人退職口座(IRA)や401(k)プランなどの税制優遇型の投資口座が利用されます。

金融資産の資産運用方法

金融資産の資産運用方法には、どのような種類があるでしょうか?

一般的に金融資産の資産運用方法は多岐にわたりますが、以下にいくつかの種類を挙げてみます。

  1. 株式投資
    株式市場で企業の株式を購入し、その価値の上昇を期待して利益を得る方法です。株式投資はリスクが高いものの、長期的には高いリターンをもたらす可能性があります。
  2. 債券投資
    政府や企業からの借り入れ証券である債券を購入し、利子や元本を受け取る方法です。債券は安定した収益をもたらしますが、株式投資に比べてリターンは低い傾向があります。
  3. 投資信託
    資産運用会社が複数の投資家から資金を集め、その資金を様々な金融商品に投資する方法です。投資信託はリスクの分散が可能であり、専門家が運用するため初心者でも利用しやすいのがメリットです。
  4. 不動産投資
    不動産物件を購入し、家賃収入や物件の価値の上昇を通じて利益を得る方法です。不動産投資は安定した収益が期待できますが、収益物件は管理やメンテナンスが必要です。
  5. ETF(上場投資信託)
    様々な資産クラスに投資するための運用方法であり、株式市場で取引可能な投資商品です。ポートフォリオの分散性に優れ、税効率も高いのが特徴です。その中には不動産投資信託(REIT)も含まれます。

    アメリカでも株式投資や債券投資、投資信託、不動産投資、ETFなどが広く普及しており、個々の投資家が自身の目標やリスク許容度に基づいてこれらの方法を選択しています。

リスク管理と資産構成

リスク管理と資産構成は、資産運用や資産形成において重要な要素です。

以下に2つの特徴をそれぞれ挙げます。

  1. リスク管理
    リスク管理は、投資に伴う損失を最小限に抑えるための戦略です。投資には常にリスクが伴いますが、リスク管理をすることで投資家は目標に向かっての投資を行うことができます。
    リスク管理の方法には、リスクの分散、ポートフォリオのバランス、リスク対策の導入などがあります。また、リスク許容度を考慮して、リスクとリターンのバランスを適切に調整することも重要です。
  2. 資産構成
    資産構成とは、投資家が保有する資産の組み合わせのことです。資産構成は、投資目標やリスク許容度に基づいて決定されます。
    資産構成の目的は、リスクを分散し、安定したリターンを得ることです。典型的な資産クラスには、株式、債券、不動産、キャッシュなどがあります。これらの資産クラスを組み合わせることで、リスクを最小限に抑えながら、目標リターンを達成することが目指されます。

リスク管理と資産構成は、投資家が安定した収益を得るために欠かせない要素であり、適切な戦略を採用することが重要です。

Aki
Aki

資産構成の目的は、リスクを分散し、安定したリターンを得ることです。そのためには、まず最初に何のために投資をするのか、そしてどのように資産形成をしたいのかを考えることが重要です。

アメリカの様々な資産形成法

アメリカのさまざまな資産形成法には、年金制度、401(k)プラン、そして不動産投資があります。

年金制度の違い

アメリカと日本の年金制度を比較すると、次のような違いがあります。

  1. 主要な年金制度

    アメリカ
    社会保障制度が中心的な年金制度であり、労働者が社会保険料を支払い、定年後に年金を受け取る仕組みです。また、401(k)やIRA(個人退職口座)などの個人が運用する退職金制度も一般的です。

    日本
    公的年金制度(厚生年金保険)が中心であり、労働者が加入し、定年後に年金を受け取る仕組みです。さらに、企業年金(厚生年金基金や確定拠出年金)など、企業が提供する年金制度も広く利用されています。

  2. 財政状況と持続可能性

    アメリカ
    人口構成の変化や財政予測の不確実性が、社会保障制度の将来の財政的な持続性に影響を及ぼす可能性があります。

    日本
    高齢化社会の進行や少子化の影響で年金受給者の数が増え、労働力人口が減少するため、年金制度の財政への負担が増加する恐れがあります。

  3. 運用管理

    アメリカ
    個々の労働者が自己責任で年金資産を管理し、運用することが求められます。企業年金制度は減少しており、401(k)やIRAなどの個人が運用する退職金制度が主流です。

    日本
    日本では、公的年金制度や企業年金など、企業や政府が年金資産の管理と支給を行うことが一般的です。

これらの違いは、アメリカと日本の社会・経済的背景や制度設計の違いによるものです。両国とも、将来の高齢化社会への対応や財政的持続可能性を確保するために、年金制度の改革や適応が必要とされています。

確定拠出年金の運用|401(k)プラン

401(k)プランは、民間営利企業の従業員を対象にしたアメリカの確定拠出個人年金制度です。

仕組みとしては、会社の従業員が給与の一部をすぐに受け取らず、拠出金として401(k)口座に預けておけるというものです。つまり、給与の受け取りを将来に遅らすことができるというものです。

401(k)プランには、主な3つのメリットがあります。まず、拠出金に対する課税を延期できるため、繰延べた課税分の複利効果が得られます。次に、会社のマッチングプランを利用できるため、会社からの追加の貢献を受けることができます。また、天引き積立でリタイアするまで引き出せないため、強制的に貯蓄を増やしていくことができます。

課税繰り延べのメリットは、現役世代での課税率が高いほど効果的です。通常、リタイア後は所得が減り、累進課税制度下ではリタイア後の方が低い税率が期待されるため、それまで課税を延期することで大きなメリットが得られます。

Aki
Aki

401(k)プランのメリットをまとめると、以下のようになります!

①:繰延べた課税分の複利効果を得れる
➁:会社のマッチングプランを利用可能
③:リタイアしてから積立額を引き出せる

不動産投資

アメリカにおける不動産投資についても理解しておきましょう。

一般的にアメリカにおける不動産投資は、以下のような形態に分けることができます。

  1. 不動産投資信託(REITs)
    REITsは不動産に投資するための株式市場で取引可能な投資商品です。投資家はREITsを購入し、そのポートフォリオに含まれる不動産に対する収益を享受します。
  2. 不動産賃貸経営
    投資家は土地や物件を購入し、売買や賃貸経営を行うことで利益を得ます。これには、住宅、商業施設、オフィスビルなどの建設が含まれます。インカムゲインやキャピタルゲインを得られる可能性がありますが、物件管理やテナントの問題にも対処する必要があります。
  3. 不動産クラウドファンディング
    オンラインプラットフォームを通じて、複数の投資家が小額の投資を集め、不動産プロジェクトに投資します。これにより、個人投資家も不動産市場へのアクセスが容易になります。

不動産投資は多くの場合、安定した収益を生み出すことができる一方で、リスクや管理の負担も伴います。投資家は市場の動向やリスクを考慮し、自身の投資目標やリスク許容度に基づいて戦略を立てることが重要です。

日本における資産運用法

最後に、日本における有効な資産運用法について見ていきたいと思います。

ここでは、iDeCo新NISAについてご紹介します。

iDeCoの活用法

確定拠出年金(iDeCo)は、日本の個人型年金制度の一つであり、以下のような特徴があります。

加入条件
基本的には20歳以上60歳未満の全ての人が加入できます。ただし、企業型の確定拠出年金に加入している場合は、企業型年金規約でiDeCoの同時加入を認められている場合に限ります。

自己掛金と自己選択
iDeCoでは自身で掛金を拠出し、運用します。掛金は月々5,000円以上1,000円単位で設定可能で、拠出額の上限額は加入資格によって異なります。

受け取り方法
運用した掛金は、原則として60歳から老齢給付金として受け取れます。受け取り方法は、「一時金」「年金」「一時金と年金の併用」の3つから選択可能です。

税制優遇
iDeCoの特長は、3つの税制優遇があることです。掛金が全額所得控除され、運用益は非課税です。掛金を受け取る際にも所得控除が適用されます。

iDeCoのメリットは、税制優遇によって資産形成が促進されることです。ただし、デメリットとしては、60歳まで掛金を引き出せないことや、掛金を増やしすぎると手元資金が不足する恐れがあることが挙げられます。

Aki
Aki

iDeCoについては以下の記事でまとめています。
個人型と企業型の違いとメリットについて記載していますよ!

新NISAの活用

新NISA(少額投資非課税制度)は、個人が株式や投資信託などの金融商品に投資し、その収益を非課税にする制度です。

以下に、新NISAの特徴を簡潔にまとめます。

信託による資産運用
新NISAを活用する際には、リスク管理が重要です。株式、投資信託、ETF、REITsなど、リスクやリターンを考慮して適切な投資商品を選ぶことが大切です。

長期的な資産形成
新NISAは長期的な資産形成に適しています。定期的に一定額を積み立てる積立投資を活用することにより、ライフプランニングでの財産管理がしやすくなります。

非課税の活用
新NISAでは、投資収益が非課税となります。そして、保有期間の上限がないため、非課税期間を最大限に活用することが可能です。

Aki
Aki

新NISAでは非課税のメリットを生かして、長期での資産形成が可能となります!
新NISAについては以下の記事でまとめています。

まとめ:アメリカの資産形成スピードが速い理由

今回の記事のまとめです。

日本とアメリカの資産形成を比較すると、最も異なる点は資産形成への意識の違いです。アメリカでは積極的な資産形成が一般的であり、リスクを取りながらも高いリターンを追求する投資文化が根付いています。一方、日本では保守的な資産運用が好まれ、安定した収益を重視する傾向があります。

アメリカでの資産形成スピードが速い理由は、資産運用の内訳の違いが大きな要因です。アメリカでは、株式や投資信託などのリスク資産への投資が一般的であり、複利の恩恵を受けることができます。一方、日本では現金や預金が主流であり、資産の増加に直接貢献しないため、資産形成のスピードが遅くなる傾向があります。

日本における資産運用法としては、iDeCoや新NISAを有効に活用することにより、資産形成において有効性を高めることが可能です。