『生命保険の3つの保険って、それぞれどう違うの?』
生命保険は、多くの人にとって身近な存在です。
しかし、生命保険には「定期保険」「終身保険」「養老保険」の3つのタイプがあり、その具体的な内容やメリット、選び方を十分に理解せずに加入している人も少なくありません。
自分自身や家族に適した保険を選ぶためにも、まずこれらの基本をしっかりと確認することが重要です。
この記事で分かること
- 生命保険の基本概要
- 生命保険の3つのタイプ
- 保険タイプの選び方
生命保険の基本概要
それではまず最初に、生命保険の基本概要について見ていきましょう。
この章では、生命保険に加入するメリットを改めて確認します。
生命保険の役割と目的とは?
生命保険の役割と目的については、以下のようにまとめることができます。
①経済的保障
主に家族の生活を守るために、被保険者が死亡した場合に遺族に保険金が支払われます。これにより、家族の生活費や教育費、住宅ローンなどの負担を軽減します。
➁リスク管理
突発的な出来事(病気や事故など)に備え、経済的リスクを軽減する役割を果たします。生命保険は、病気や死亡などのリスクに対して経済的なセーフティネットを提供します。
③資産形成
一部の生命保険(特に終身保険や養老保険)では、保険料の一部が貯蓄や投資に回されるため、将来の資産形成に寄与します。
生命保険に加入するメリット5つ
生命保険に加入するメリットには、主に以下の5つがあります。
①突発的な事態への備え
事故や病気による死亡など、予期しない出来事に対する経済的リスクを軽減できます。生命保険は、万が一の事態に備えたセーフティネットの役割を果たします。
➁相続対策
生命保険金は、相続税の支払い資金として利用できるため、相続に伴う負担を軽減する手段としても活用できます。
③教育資金の確保
生命保険に加入することで、子どもの将来の教育資金を準備する手段にもなります
④将来の貯蓄手段
終身保険や養老保険など、一部の保険では保険料の一部が貯蓄や投資に回されるため、将来の資産形成に寄与します。
⑤保険料控除の適用
生命保険に加入すると、支払った保険料が税金控除の対象となり、所得税や住民税の負担を軽減できる場合があります。
ちなみに第一分野の保険とは、生命保険会社が扱う年金保険や死亡保険など、「人の生存または死亡に関して保険金を支払う」保険のことです。
3つの保険タイプとは?それぞれの特徴を解説
次に、生命保険の3つのタイプについて見ていきましょう。
生命保険は大きく分けて「定期保険」「終身保険」「養老保険」の3種類があり、それぞれの特徴について一つずつ解説していきます。
定期保険の特徴
定期保険は、契約時に定めた一定期間(例:10年、20年)を保障する保険です。
この期間内に被保険者が死亡または高度障害等になった場合、保険金が支払われます。
特徴
掛け捨てタイプ
定期保険は解約返戻金がないか、あっても非常に少ないため、掛け捨てタイプの保険です。このため、終身保険よりも保険料が割安で、必要な保障を確保できます。
保険期間のタイプ
定期保険には、主に2つのタイプの保険期間があります。
①更新型(年満了)
・保険期間を10年や20年と区切り、満期時に自動更新されるタイプです。
・更新のたびに保険料は年齢に応じて再設定されます。
➁全期型(歳満了)
・契約者が定めた全ての期間を保険期間として設定します。
・更新はなく、満期になると保険契約は終了します。全期型では、保険期間が長くなるほど保険料が高くなる傾向があります。
定期保険は、平準定期保険、収入保障保険、逓減定期保険、逓増定期保険の4種類に分けられます。
終身保険の特徴
終身保険は、被保険者が死亡した際に保険金が支払われる保険であり、被保険者が亡くなるまで保障が続きます。
主な特徴には、以下の4つがあります。
①生涯保障
終身保険は契約者が生存している限り保障が続き、死亡時には必ず保険金が支払われます。
➁解約返戻金
終身保険は貯蓄性があり、解約時には解約返戻金を受け取れますが、途中解約では元本割れすることがあります。
③保険料が高め
終身保険は同じ保障額の掛け捨て保険(定期保険など)と比較して保険料が高めです。
④保険料の払い込み期間
終身保険の保険料払い込み期間には「短期払(有期払)」と「終身払」の2つがあり、契約時に選択できます。
貯蓄性(解約返戻金)がある保険には、個人年金保険などがあります。
個人年金保険については、以下の記事をご参照ください。
養老保険の特徴
養老保険は、一定期間の保障と満期保険金の両方を備えた生命保険です。
主な特徴は以下の3つです。
①生涯保障
契約者が生存している限り保障が続き、満期時には保険金が支払われます。万が一、契約者が満期前に亡くなった場合には、死亡保険金が支払われます。
➁満期保険金
満期を迎えた場合、被保険者が死亡することなく契約を続けていた場合には、死亡保険金と同額の満期保険金を受け取ることができます。
③満期保険金の据え置き
満期保険金は契約者の希望に応じて据え置くことができ、将来的に資金が必要となる時期に合わせて受け取ることが可能です。
養老保険は、死亡保障と貯蓄機能を兼ね備えており、特に老後の資金計画や教育資金の準備を考える人に適した商品です。
自分に合った保険タイプの選び方
では最後に、自分に合った保険タイプの選び方について考えてみましょう。
結局のところ、どのタイプの保険を選ぶべきかを判断するには、各保険の特徴と自身のライフステージに合った保障内容を理解することが重要です。
ライフステージに応じた保険の選び方
ライフステージに応じた保険選びは、生活状況や将来の目標に合った保険を見つけるために重要です。
以下に、そのポイントとなる3つを挙げてみます。
1. 自身のライフステージを把握する
自分の現在のライフステージ(独身、結婚、子育て、リタイア後など)を明確に理解し、その時期に必要な保障内容を考えます。
2. 保障の必要性を評価する
家族構成や収入、生活費、将来の目標を踏まえ、必要な保障額を評価します。特に、死亡保障が遺族の生活基盤となる点は重要なポイントです。
3. 保険の種類を理解する
生命保険、医療保険、介護保険、貯蓄型保険など、さまざまな保険の種類があり、それぞれの特徴を理解した上で、自分に合った保険を選ぶことが大切です。
ライフステージが変化することで、必要となる保険も変わります。
定期的に保険を見直すことには、保険の最適化ができるというメリットがあります。
目的別に見る保険タイプの選び方:転職時
先ほど、ライフステージに応じた保険の選び方について、自身のライフステージを把握することの重要性を述べましたが、転職もライフステージの一環であり、保険選びに影響を与える重要な要素です。
ここでは、転職時に保険を見直すことのメリットをまとめてみます。
収入の変化
転職によって収入が増加した場合、生活水準の向上に伴って必要な保障額も見直す必要があります。反対に、収入が減少した場合は、保険料の支出を見直し、無理のない範囲での保障に調整することが重要です。
雇用形態の変更
正社員から契約社員やフリーランスになる場合、安定した収入が得られないリスクがあります。この場合、医療保険や失業保険など、生活の基盤を守るための保険の充実が必要です。
福利厚生の見直し
転職先の会社によっては、健康保険や福利厚生が異なる場合があります。新しい職場の福利厚生を確認し、必要な保険を追加したり、見直したりすることが重要です。
家族構成の変化
転職を機に、結婚や子どもの誕生など、家族構成が変化することもあります。これにより、必要な保障内容や保険の種類が変わるため、ライフステージの変化に応じて保険を見直すことが大切です。
転職時に役立つ保険選びについては、以下の記事でわかりやすくまとめています。
まとめ
今回の記事のまとめです。
生命保険には、家族の経済的保障、リスク管理、資産形成という3つの役割があります。
これは、予期せぬ事故や病気に備えるだけでなく、相続対策や教育資金、老後の貯蓄手段としても役立ちます。
そして生命保険には「定期保険」「終身保険」「養老保険」の3種類があり、
それぞれの目的に合わせて適切な保険を選ぶことで、効果的なリスク対策と将来の資産形成に繋がります。