投資初心者から上級者まで、多くの投資家に支持されているETF(上場投資信託)。
その魅力は、少額からでも分散投資が可能で、手数料が低く、流動性も高いという点にあります。
しかし、ETFにもリスクは存在し、投資対象を適切に選択・管理しないと、予想外の損失を被る可能性があります。
本記事では、ETFの基本的な仕組みから、資産運用におけるメリットとリスク、さらに効果的な投資戦略までを詳しく解説します。
この記事で分かること
- ETFの定義と仕組み
- ETFを活用した資産運用のメリット
- ETF投資のリスクと注意点
ETFとは?基本的な仕組みと特徴を理解しよう
まず最初に、ETF(上場投資信託)の概要について見ていきます。
ETFは株式市場で取引される投資信託で、少額から分散投資を行うことができるなど、柔軟な投資手段として注目されています。
ETFの定義
ETF(Exchange Traded Fund)は、証券取引所に上場している投資信託のことです。
一般的な投資信託は、取引所ではなく販売会社を通じて取引されるのに対し、ETFは株式と同じように市場で自由に売買ができる点が特徴です。
ETFは通常、特定の株式指数や債券、商品などに連動する形で構成されています。
例えば、日経225やS&P500などの指数に連動したETFがよく知られています。
これらのETFに投資することで、個別銘柄の購入なく、広範囲に分散した投資が可能となります。
ETFの仕組み
ETFは次のような仕組みで運用されています。
上場と取引
ETFは証券取引所に上場しているため、株式と同じように証券取引所を通じてリアルタイムで売買されます。
市場価格の変動
ETFの価格は市場の需給バランスによって決まります。つまり、ETFの価値はその時点での市場の取引価格に基づき、需要と供給によって変動します。
分散投資
ETFは、株式や債券、商品など複数の銘柄に投資するため、少額で分散投資ができます。例えば、日経225に連動するETFを購入することで、日経225指数に含まれる全225銘柄に分散投資できる仕組みです。
ETFと株式・投資信託との違い
ETFと投資信託(インデックスファンド)は、いずれも分散投資を目的とした金融商品ですが、いくつかの重要な違いがあります。
特に、上場の有無や売買方法、取り扱う商品数や種類において、両者は異なる特徴を持っています。
二つの違いを以下の表にまとめてみます。
比較項目 | ETF(上場投資信託) | 投資信託 |
---|---|---|
上場の有無 | 上場しており、取引所で売買される | 上場しておらず、証券会社や銀行で売買 |
売買方法 | 証券会社を通じてリアルタイムで売買 | 証券会社や銀行で注文 |
取引時間 | 市場の取引時間内で取引可能 | 基本的に日中の取引時間に限定される |
注文方法 | 指値注文・成行注文 | 価格指定なしの注文(基準価額での取引) |
ETFを活用した資産運用のメリット
次に、ETFを活用した資産運用のメリットについて見ていきます。
ETFを利用することで、少額から分散投資が可能となり、リスクの分散が図れます。
また、株式市場で取引されているため、流動性が高く、売買が容易である点も特徴です。
ETFを活用した資産運用のメリット4つ
ETF(上場投資信託)を活用した資産運用には、いくつかのメリットがあります。
①分散投資が可能
ETFは、特定の指数(株価指数や債券指数など)に連動するように運用されるため、個別銘柄に依存せず、広範囲に分散されたポートフォリオを構築することができます。
これにより、リスクを分散しながら投資を行うことが可能です。
➁取引の柔軟性
ETFは証券取引所に上場しており、株式と同様に取引時間内にリアルタイムで売買が可能です。
市場の動きに応じて素早く取引を行うことができ、資産運用の柔軟性が高まります。
③透明性が高い
ETFは、投資対象となる資産の構成が公開されていることが多く、運用の透明性が確保されています。
これにより、投資家はどのような資産に投資しているのかを明確に把握することができます。
④さまざまな資産クラスへの投資が可能
ETFは、国内株式、外国株式、債券、商品、REIT(不動産投資信託)など、さまざまな資産クラスに投資できるため、投資家は自身のリスク許容度や投資目的に応じて、多様な市場にアクセスできます。
ETF投資のリスクと注意点
ETFは市場でリアルタイムに取引されるため、価格変動が激しい場合があります。
また、投資対象によっては分配金が少ない場合があり、長期的なリターンを考える際にはこの点も考慮する必要があります。
この章では、ETFを活用した資産運用のデメリットについて見ていきます。
ETFを活用した資産運用のデメリット4つ
ETF(上場投資信託)を活用した資産運用には、いくつかのデメリットもあります。
以下にその主なデメリットを挙げてみます。
①取引手数料がかかる
ETFは証券取引所で売買するため、株式と同様に取引手数料(売買時の手数料)がかかります。
この手数料は証券会社や取引内容によって異なり、頻繁に売買する場合はそのコストが積み重なり、運用パフォーマンスに影響を与えることがあります。
➁管理費用(信託報酬)がかかる
ETFには管理費用(信託報酬)が設定されており、運用資産に対して一定の割合で毎年徴収されます。
一般的に、ETFの管理費用は投資信託よりも低いですが、ゼロではないため、その分のコストが運用成績に影響を与えることがあります。
③市場流動性のリスク
ETFは上場しているため、流動性の高い市場では問題ありませんが、取引量が少ない銘柄では売買が成立しにくいことがあります。
特に、ニッチなテーマや新興市場のETFは流動性が低くなることがあり、希望する価格で売買できないリスクが生じます。
④価格が市場の需給に影響される
ETFの価格は、市場の需給バランスによって変動します。
市場のボラティリティ(価格変動)が大きい場合、ETFの価格もその影響を受け、基準価額と市場価格に乖離が生じることがあります。
この乖離が大きくなると、投資家は思わぬ損失を被る可能性があります。
他の記事でも再三述べているように、投資に絶対はありません。
肝心なのは、リスクを考慮した運用戦略を構築することです。
まとめ
今回の記事のまとめです。
ETF(上場投資信託)は、証券取引所に上場している投資信託で、株式と同様に証券会社を通じて自由に売買できます。
一般的な投資信託とは異なり、ETFは市場でリアルタイムに取引され、特定の株式指数や債券、商品に連動する形で運用されています。
例えば、日経225やS&P500などの主要な株価指数に連動するETFがあります。
これにより、少額で広範囲な分散投資が可能となり、投資家にとって利便性の高い投資手段となります。