資格試験って皆さんは、どのように勉強されていますか?
筆者は勉強が趣味なので、日常生活で勉強時間を確保することは難しいと感じませんが、筆者のようなケースは少数派だと思います。
資格取得は、生涯にわたる自己成長の証明書となります。
ファイナンシャルプランナーの資格試験は、個人や家族の財務を効果的に管理し、将来の安定を確保するために不可欠なスキルを身につけるための第一歩です。
この記事では、資格試験に合格するための効果的な学習戦略や準備のポイントについて解説します。
この記事で分かること
- ファイナンシャルプランナーの試験概要
- ファイナンシャルプランナーの試験準備と合格戦略
ファイナンシャルプランナーとは
そもそも、ファイナンシャルプランナーとはどのようなことを指すのでしょう?
資格等を勉強、または業務で触れる機会がある方を除いて、意外と聞き覚えのないワードだったりしませんか?
ファイナンシャルプランナーとは、
人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法を「ファイナンシャル・プランニング」といいます。ファイナンシャル・プランニングには、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識が必要になります。これらの知識を備え、相談者の夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートする専門家が、FP(ファイナンシャル・プランナー)です。
日本FP協会
と述べられています。つまり、
個々の財政状況や将来の目標に基づいて、適切な投資、保険、税金などのアドバイスを提供する専門家です。
日常生活において、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度などの幅広い知識は切っても切れない関係ですね。
資格を取得したり、正しい知識を身につけることは、自身の財産であり、将来の人生において強力なツールとなり得ます。
そして、ファイナンシャルプランナーには複数の資格があり、最も代表的といえるのが国家資格「ファイナンシャル・プランニング技能士(FP技能士)」です。
ファイナンシャルプランナーの役割
ファイナンシャルプランナーの役割は多岐にわたります。
主な役割として以下の項目が挙げられます。
総合的な財務計画の立案
クライアントの現在の財務状況や将来の目標を考慮し、総合的な財務計画を作成します。これにより、クライアントの収入、支出、貯蓄、投資、保険などの要素を調整し、将来の資金ニーズに備えるための戦略を提供します。
目標設定と優先順位の明確化
クライアントの目標を明確にし、優先順位を付ける手助けをします。例えば、家の購入、教育費の準備、リタイアメントプランなど、クライアントが達成したい目標を特定し、それらを実現するための財務戦略を提案します。
資金管理と予算立案
クライアントの収入と支出を管理し、予算を立てる手助けをします。収入と支出のバランスを取ることで、資産減少を抑え、貯蓄や投資を増やすことができます。
投資戦略の提案
クライアントの投資目標やリスク許容度を評価し、適切な投資戦略を提案します。長期的な資産形成を目指すために、適切な投資商品やポートフォリオ構築を助言します。
節税戦略の立案
クライアントが最大限の税制優遇を受けられるように、節税戦略を立案します。
リスク管理
不測の事態に備えて適切な保険商品を選択し、クライアントやその家族の将来を保護するため、リスク管理の戦略を提案します。
変化への適応
税制改革や金融市場の変動などの変化に対応し、クライアントの利益を最大化するための調整を行います。
まとめると、
ファイナンシャルプランナーは、個人や家庭の財務状況や将来の目標を総合的に考慮し、クライアントの経済的な成功を支援する役割を果たします。
専門知識と経験によって、クライアントはより効果的な財務計画を立て、将来の経済的な安定と目標の達成を実現することができます。
類似する言葉で、ライフプランという言葉があります。意味が混同しないように理解しておくことも大切です。
以下の記事では、ライフプランとファイナンシャルプランのそれぞれの役割についてまとめています。
ファイナンシャルプランナー試験とは
ファイナンシャルプランナー試験(FP試験)とは、個人や家族の資産、収入、支出などを総合的に評価し、適切な資産運用や財務計画を提案するための資格試験です。
FP技能士は、ファイナンシャルプランニング技能士の略称であり、個人や家族の資産管理や財務計画を行うための専門家を指します。
FP技能士の資格を取るためには、「学科試験」と「実技試験」の2つの試験に合格する必要があります。
FP技能士の資格試験(FP技能検定)は、日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)の2つの団体で実施されています。両方の試験の試験日は同じであり、学科試験は共通していますが、実技試験の出題形式が異なります。
FP協会では、民間資格であるAFPやCFPの試験も実施していますが、きんざいではこれらの試験を受験することはできません。
FP技能検定を受験する際は、両団体の実技試験の内容を比較し、自分にとって取り組みやすい方を選ぶことが重要です。
学科試験に関しては、1~3級で同一の試験範囲が実施されており、「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」「金融資産運用」「タックスプランニング」「不動産」「相続・事業承継」の6つの分野が試験範囲となっています。
1級:
・日本FP協会: 資産設計提案業務
・金融財政事情研究会: 個人資産相談業務
2級:
・日本FP協会: 資産設計提案業務
・金融財政事情研究会:
・個人資産相談業務
・中小事業主資産相談業務
・生保顧客資産相談業務
・損保顧客資産相談業務
※上記4科目から1科目選択
3級:
・日本FP協会: 資産設計提案業務
・金融財政事情研究会:
・個人資産相談業務
・保険顧客資産相談業務
※ 上記2科目から1科目選択
繰り返しになりますが、FP技能検定を受験する際は、両団体の実技試験の内容を比較し、自分にとって取り組みやすい方を選ぶことが重要です。
筆者は、2級,3級とも日本FP協会から受講しました!
FP資格を取得するメリット
ファイナンシャルプランナー資格を取得することにより、
などのメリットがあります。
FP資格は税金、保険、年金、不動産などの専門知識を身につけることができるため、新たに就職する人や転職を考えている人におすすめです。
また、2級FP技能士やAFPなどの一定以上の資格には手当が支給される企業もあり、年収やキャリアのアップにも役立ちます。
さらに、FP資格は自身の将来設計や資産運用にも役立つため、自己啓発のために取得する人もいます。
FP資格は自己成長やキャリアアップを目指す人にとって、価値の高い資格と言うことができます。
ファイナンシャルプランナーの資格取得方法(合格基準)
FP技能検定の合格基準点について解説します。
2級、3級:
・学科試験: 60点満点中36点以上
・実技試験: 100点満点中60点以上
(いずれも6割以上の得点で合格)
1級:
・学科試験: 200点満点中120点以上
・実技試験:日本FP協会: 100点満点中60点以上
金融財政事情研究会: 200点満点中120点以上
すべての級で、学科試験と実技試験の両方で「6割以上」を取れば合格となります。
ファイナンシャルプランナー試験の日程
以下に、2024年度のFP技能検定の試験日程をまとめました。
1級FP技能検定(実技試験:資産設計提案業務)
- 試験日:2024年9月8日(日)
- 受検申請期間:7月11日(木)~8月1日(木)
- 合格発表日:11月6日(水)
2級FP技能検定(学科及び実技試験:資産設計提案業務)
- 第1回:2024年5月26日(日)
- 受検申請期間:3月15日(金)~4月5日(金)
- 合格発表日:6月28日(金)
- 第2回:2024年9月8日(日)
- 受検申請期間:7月2日(火)~7月23日(火)
- 合格発表日:10月21日(月)
- 第3回:2025年1月26日(日)
- 受検申請期間:11月13日(水)~12月3日(火)
- 合格発表日:3月7日(金)
※2級FP技能検定はCBT化の予定があり、2025年度以降に実施される予定です。
詳しくは下記リンクからご確認ください。
ファイナンシャルプランナー試験の受験資格
ファイナンシャルプランナー試験の受験資格について解説します。
3級はどなたでも受験可能ですが、2級・1級は受験資格が必要です。
FP技能検定の受験資格についてまとめます。
2級の受験資格
以下のいずれかに該当する方が受験できます。
・3級FP技能検定の合格者
・日本FP協定が認定するAFP認定研修修了者
・FP業務に関して2年以上の実務経験者
・厚生労働省の認定する金融渉外技能審査3級に合格した者
1級の受験資格
1級の学科試験はFP協会では開催されず、きんざいでのみ受験が可能です。
以下の条件を満たす方が受験できます。
【学科試験】
・2級技能検定合格者でFP業務に関し1年以上の実務経験がある
・FP業務に関して5年以上の実務経験がある
・厚生労働省の認定する金融渉外技能審査2級の合格者で1年以上の実務経験者
【実技試験】
・1級学科試験の合格者
・FP養成コース修了者でFP業務に関して1年以上の実務経験者
・FP協会のCFP認定者
・FP協会のCFP資格審査試験の合格者
ファイナンシャルプランナー試験の内容
ファイナンシャルプランナー試験の試験内容について解説します。
学科試験・実技試験の両方で、以下の6つの科目が出題されます。
- ライフプランニングと資金計画
- 個人の資産に関する知識、社会保険、年金、税金、ローンなど
- リスク管理
- 生命保険、損害保険、第三分野の保険、リスク管理と保険などのリスクマネジメントに関する知識
- 金融資産運用
- 預貯金、保険商品、投資信託、株式投資など金融商品と運用方法全般に関する知識
- タックスプランニング
- 所得の内容、損益通算、所得控除、税額控除など、主に所得税に関する知識
- 不動産
- 不動産の取引、不動産に関わる税金や有効活用法に関する知識
- 相続、事業継承
- 贈与、相続の法律や税金、不動産の相続対策や事業継承対策などの知識
出題範囲が多岐にわたるため、きちんとした勉強対策が必要となります!
ファイナンシャルプランナー試験の合格率
FP技能検定の合格率と難易度を以下にまとめます。
3級:
合格率は総じて70%程度。
学科試験:
FP協会: 70~80%
きんざい: 50~70%
実技試験:
FP協会: 80~90%
きんざい: [個人] 60~80%、[保険] 40~60%
2級:
合格率は総じて30%程度。
学科試験:
FP協会: 40~50%
きんざい: 20~30%
実技試験:
FP協会: 50~60%
きんざい: [個人] 20~40%、[中小/生保] 40~60%、[損保] 50~60%
1級:
1級の学科試験はFP協会では行われず、きんざいでのみ受験が可能。
合格率は総じて約10%。
学科試験:
きんざい: 約10%
実技試験:
FP協会: 70~90%
きんざい: 80~90%
合格するためのステップ
試験に合格するためには、試験戦略が重要となります。
以下は、筆者が実践してみて重要だと感じたポイントです。
- 勉強スケジュールを作る
- 勉強時間の確保
- テキスト、問題集を繰り返し解く
- 不得意な分野を克服する
より、具体的に見ていきましょう。
➀勉強スケジュールを作る
試験までの日数を考慮し、効果的な勉強スケジュールを作成します。週ごとの目標や各科目ごとの進捗状況を計画し、日々の勉強計画を立てます。そして、継続的な進歩を確認するための目標を設定します。達成感を得ることが、モチベーションの維持につながります。
➁勉強時間の確保
勉強時間を他の予定と調整し、優先順位をつけて確保します。毎日の生活スケジュールに、固定された勉強時間を確保するためには、朝の時間や夜の時間など、自身にとって最も集中できる時間帯を選択することも重要です。
③テキスト、問題集を繰り返し解く
テキストや問題集を繰り返し解くことで、重要なポイントを確認し、理解を深めます。内容が正確でわかりやすいものを選ぶことが重要です。
④不得意な分野を克服する
自身の弱点を明確にし、それに対する対策を立てます。不得意分野を集中的に取り組み、理解を深めるために、必要に応じて、追加の参考書やオンラインリソースを活用して、理解を補強します。
上記4つのポイントは、自身が実践してみた結果、感じたことです。
FP試験に合格するための勉強時間の目安は初学者の場合、3級で約50時間、2級で約200時間、1級で約400時間と言われています。
スケジュールを立てる際は、試験日から逆算して計画を立てることが重要です。その後は、目安となる勉強時間の確保、繰り返し問題を解く、不得意分野の洗い出しと克服といった具合で試験に臨むことになります。
毎日の継続と勉強時間を作る意識が合格への鍵です。勉強期間を設定し、毎日の勉強を習慣化することが重要です。
効率的な勉強法とは?
最後に、効率的な勉強法について解説したいと思います。
効率的な勉強法には、以下の4つの手法があります。
- 参考書やテキストの利用
FP技能検定に向けた参考書やテキストを購入し、各科目ごとにしっかりと理解を深めることが重要です。試験範囲に合わせた教材を選び、一つひとつのテーマを丁寧に学習していきましょう。 - 過去問題の解答
過去の試験問題を解いてみることで、試験の傾向や出題形式を把握することができます。また、自分の理解度を確認するためにも役立ちます。解答後に間違えた部分を復習し、理解を深めることも大切です。 - 通信講座やオンライン講座の受講
通信講座やオンライン講座を受講することで、体系的に学習することができます。講師からの解説や質問に対するサポートを受けながら学習することで、効率的に知識を吸収することができます。 - ブログやYouTube動画の活用
FPに関するブログやYouTube動画を活用して、難しいテーマを分かりやすく解説しているコンテンツを探します。他の人の解説を聞くことで新しい視点や理解が得られる可能性が広がります。
どの教材やコンテンツが自身にとって有益かは、個人によって異なるので、自身に合ったものを選んで活用しましょう!
まとめ:合格戦略を最適化し、FP試験に望もう!
ファイナンシャルプランナー(FP)の試験は、財務や投資、保険など幅広い知識を要求されるため、準備と合格戦略をしっかりと考えることが重要です。
以下はそのポイントです。
- 学習計画の立て方
試験範囲を把握し、適切な学習計画を立てます。時間的な余裕を持って計画を立てることが重要です。 - 参考書の選定
試験範囲に沿った参考書やテキストを選びます。複数の参考書を使用して、理解度を深めることが効果的です。 - 過去問題の解答
過去の試験問題を解いて、試験の傾向や出題形式を把握します。間違えた部分を復習し、理解を深めることが大切です。 - 通信講座やオンライン講座の受講
通信講座やオンライン講座を受講することで、体系的に学習することができます。講師からの解説やサポートを受けながら、効率的に知識を吸収します。 - 計画的な学習スケジュールの立て方
学習内容や試験日程に合わせて、計画的な学習スケジュールを立てます。継続的な努力が合格への近道です。
ファイナンシャルプランナー試験の準備は一筋縄ではいかないものですが、着実な学習と計画的な取り組みを行うことで、合格への道は開けてきます。
しっかりとした準備をして、自信を持って試験に臨みましょう。