学資保険に加入することを決めたものの、具体的に月々いくらかかるのか気になっている方は多いのではないでしょうか。
特に子どもを持つ親にとっては、一度は考えたことのある悩みですよね。
学資保険の保険金額は、保険会社やプランによって異なりますが、一般的には数千円から数万円程度が相場とされています。
この記事では、学資保険の保険料と保険金額の相場について解説し、保険金額を設定する際の基準についても触れたいと思います。
この記事で分かること
- 幼稚園から大学入学までの学費の相場
- 学資保険の保険料の相場
- 学資保険の保険金額設定
幼稚園から大学入学までの学習費用はどのくらい?
まず最初に、幼稚園から大学入学までの学習費用について見ていきます。
学資保険の保険金額を策定する前に、それぞれの入学時にかかる費用を理解しておくことは大切です。
学費費用ってどのくらい掛かるの?①幼稚園~高校
図1は、幼稚園から高校卒業までにかかる学習費用をまとめたものです。
学校種別 | 平成28年度 | 平成30年度 | 令和3年度 |
---|---|---|---|
公立幼稚園 | 682,117 | 649,088 | 472,746 |
私立幼稚園 | 1,445,385 | 1,584,777 | 924,636 |
公立小学校 | 1,934,173 | 1,926,809 | 2,112,022 |
私立小学校 | 9,164,628 | 9,592,145 | 9,999,660 |
公立中学校 | 1,433,090 | 1,462,113 | 1,616,317 |
私立中学校 | 3,979,521 | 4,217,172 | 4,303,805 |
公立高校(全日制) | 1,351,336 | 1,372,072 | 1,543,116 |
私立高校(全日制) | 3,109,805 | 2,904,230 | 3,156,401 |
出典:文部科学省「結果の概要-令和3年度子供の学習費調査」
公立・私立ともに、幼稚園から高校までの学費は全体的に上昇傾向にあります。
特に令和3年度の学費は多くの項目で増加しています。
この背景には、コロナ禍におけるオンライン授業の導入や、ICT教育、キャリア教育、特別支援教育などへの投資費用が影響していると考えられます。
過去の推移から、今後も学習費用は増加していくことが考えられます。
そのため、早い段階からの計画的な資金準備が必要となります。
学費費用ってどのくらい掛かるの?➁大学入学~
次に、大学入学から卒業までの費用について説明します。
一般的に、私立大学は公立大学よりも費用が高いため、ここでは私立大学と私立短期大学の初年度にかかる費用を取り上げます。
図2では、初年度の学生納付金についてまとめています。
学校種別 | 授業料 | 入学料 | 施設設備費 | 合計 |
---|---|---|---|---|
私立大学 | 930,943 | 245,951 | 180,186 | 1,357,080 |
私立短期大学 | 723,368 | 237,615 | 166,603 | 1,127,586 |
出典:文部科学省「私立大学等の令和3年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
学資保険の保険料の相場とは?
では、次に学資保険料の相場について見ていきたいと思います。
保険料についてだけでなく、保険金額も併せて確認しておきましょう。
学資保険の保険料金の相場
学資保険の保険料は年齢別に設定されており、保険料を決める際には将来の教育資金に備え、自分のライフプランに合った保険を選ぶことが重要です。
学資保険の年齢別の保険料の相場額を以下にまとめてみます。
年齢別の保険料の相場
新生児(0歳)で加入する場合
毎月約1万円
幼児(3歳)で加入する場合
毎月約9,000円
学齢期(6歳)で加入する場合
毎月約1万円
10歳で加入する場合
毎月約1万8,000円
被保険者(子供)だけでなく、保険契約者にも加入できる年齢制限があります。
詳しくは以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
学資保険の保険金額の相場
学資保険の保険金額についても見てみましょう。
学資保険金の平均金額は100万〜300万円が相場となっており、この価格帯は学資保険を選ぶ際の重要な参考になります。
では、なぜこの100万〜300万円の価格帯が平均金額として位置付けられているのでしょうか。
学資保険は主に、子供の大学費用を準備するための保険です。大学進学に際して必要となる費用、特に入学金や初年度の学費は高額になる傾向があります。図2に示すように、これらの費用は家庭によって大きく異なるものの、いずれも大きな負担となることが多いです。
このため、将来的な支出に備えてまとまった金額を貯めておくことが重要です。
学資保険の保険金額はいくらに設定すればいい?
保険金額を設定することで支払う保険料を計算することが可能ですが、
結局のところ、学資保険の保険金額はどのくらいに設定すべきなのでしょうか?
大学進学に必要な保険金額にする
学資保険への加入を考える際には、まず保険金額を設定することが重要です。学資保険が特に役立つのは大学進学時が多いため、保険金額は「大学進学に必要な金額」に設定するのが一般的です。
具体的には、大学の入学金、初年度の学費、さらに年間の授業料や生活費などを考慮に入れた金額が必要です。
例えば、国公立大学の場合、入学金や初年度の学費は約100万円〜150万円が一般的です。一方、私立大学では、これが200万円以上になることもあります。
これらの費用に加えて、学資保険を利用することで、入学時に必要な資金を一括で支払うことができ、経済的な負担を軽減することができます。
学資保険以外の資金準備方法
では最後に、学資保険以外の資金準備方法について見ていきましょう。
この章では、学資保険以外の積立保険や資産運用、さらには保険の見直しによって得られる効果について解説します。
積み立て保険や資産運用を活用する
積み立て保険や資産運用は、将来的な資金準備の手段として有効です。
まず、積み立て保険についてですが、これは保険機能と貯蓄機能を兼ね備えた商品です。定期的に保険料を支払うことで、保障と貯蓄を同時に実現できるため、特に教育資金の準備に適しています。また、一定の条件を満たせば税制上の優遇を受けられることもあり、実質的な負担を軽減できるメリットがあります。
一方、資産運用は自分の資産を増やすために投資を行うことを指します。株式や債券、不動産など多様な選択肢があり、それぞれのリスクとリターンを理解して、自分の目的に応じた戦略を立てることが重要です。
保険の見直しが資産形成に役立つ理由
保険の見直しも、将来における資金の確保に繋がります。
保険の見直しが資産形成に役立つ理由を以下に3つ挙げます。
①無駄な保険料の削減
保険の見直しによって必要な保障に絞り込むことで、保険料を削減し、その分を投資や貯蓄に回すことが可能になります。
➁新しい商品への乗り換え
見直しを行うことで、より有利な条件や保障内容を持つ保険に乗り換えることができ、資産形成にプラスとなる可能性があります。
③資産運用の選択肢を広げる
見直しによって節約できた資金を新たな投資先(株式、投資信託、新NISAなど)に充てることで、資産運用の選択肢が広がります。
保険に関する悩みは多岐にわたるため、ファイナンシャルプランナー(FP)などの保険の専門家に相談するのも良いかもしれませんね。
まとめ
今回の記事のまとめです。
学資保険は、将来の教育資金を準備するための保険で、特に大学進学に必要な費用をカバーすることを目的としています。保険金額は一般的に100万〜300万円が相場であり、大学進学時に必要となる入学金や初年度の学費を考慮して設定されます。
学資保険の加入を検討する際は、大学進学に必要な資金を基に保険金額を決定することが重要です。
また、学資保険だけでなく、積み立て保険や資産運用、保険の見直しといった他の資金準備方法も考慮することで、将来の資金確保に役立ちます。