『ローン借り換えで総支払額が増える場合とは?』
住宅ローンの借り換えは、月々の支払い額を軽減し、金利負担を減らす有効な手段ですが、借り換え額が増加するリスクもあります。
特に、返済期間を延ばすと総支払額が増える可能性があるため、金利の選択や返済期間の調整、手数料や違約金の確認が重要となります。
この記事では、住宅ローンを借り換える際に、借り換え額が増えるのを防ぐための具体的な方法について解説します。
この記事で分かること
- 借り換え時の金利選択の重要性
- 返済期間を調整して総支払額を抑える方法
借り換え時の金利選択の重要性
まず初めに、借り換え時の金利選択の重要性について見ていきます。
ローンを組んだ際に気になるのが金利ですが、なぜ金利の選択が重要なのか、この章ではその本質を掘り下げて解説します。
低金利時の借り換えについて
住宅ローンの借り換え時における金利選択の重要性は、主に以下の2つのポイントに集約されます。
1.月々の返済額への影響
住宅ローンの返済額は金利によって大きく左右されます。金利が低ければ月々の返済額が抑えられる一方、金利が高いと同じ借入額でも返済額が増えてしまいます。そのため、借り換え時には適切な金利を選ぶことで、月々の返済負担を軽減することが可能です。
2.総支払額の差
借り換えの目的のひとつは、総支払額を削減することです。低金利のローンに借り換えることで、長期的に支払う利息が少なくなり、結果として総支払額を減少させることができます。
固定金利と変動金利の選び方
住宅ローンの借り換え時には、固定金利と変動金利の選択が重要です。
それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるため、自身のライフスタイルや将来の計画に合った選択をする必要があります。
固定金利の特徴
返済額が一定
借入時の金利が返済期間中に変わらないため、月々の返済額が一定で計画的な返済がしやすくなります。
金利上昇の影響を受けない
市場金利が上昇しても返済額が増えないため、将来の金利変動に対して安心感があります。
初期金利が高め
変動金利と比べて借入時の金利がやや高めに設定される傾向があります。
変動金利の特徴
初期金利が低い
固定金利よりも借入時の金利が低い場合が多く、返済の初期負担を抑えることができます。
金利が変動する
市場金利に応じて金利が上下するため、金利が下がると返済額が減少しますが、上昇すると返済額が増えるリスクがあります。
短期間の返済に適している
短期間での返済を予定している場合や、金利が低い期間が続く場合に選択肢となります。
住宅ローンの総支払額を決定する3つの要素
住宅ローンの総支払額は、借入額、金利、返済期間の3つの要素によって決まります。
この章では、これらの要素が総支払額にどのような影響を与えるのかを解説します。
借入額(ローン元本)
住宅ローンの総支払額を決定する最も基本的な要素は「借入額」、つまりローンの元本です。借入額が大きいほど、支払う利息も増加します。
例えば、借入額が3000万円の場合、返済期間中に支払う利息は「金利」の影響を受け、総支払額に大きな差が出ます。そのため、ローン元本の設定は返済計画を立てるうえで欠かせないポイントとなります。
金利(利率)
金利(利率)は住宅ローンの返済額を大きく左右する要素であり、特に「固定金利」と「変動金利」の選択が重要です。
金利は返済総額の「利息部分」に直結し、わずかな金利の上昇でも支払う利息が大きく増加する可能性があります。
特に変動金利の場合、市場金利の動向に影響を受けるため、将来的な金利上昇リスクを考慮することが必要です。
一方、低金利で借り換えを行えば、長期的に見て総支払額を抑制できる可能性もあります。
金利の選択は、返済シミュレーションを活用して慎重に行うことが大切です。
返済期間(ローン期間)
返済期間を長く設定すると、月々の返済額(元利均等返済額)は軽減されますが、その結果として「支払利息」の総額が増えることになります。
これを避けるためには、返済期間を慎重に設定することが重要です。
例えば、「元金均等返済」を選ぶことで、総支払額を抑えることが可能です。
このように、返済計画は将来のライフプランに合わせて最適化することが求められます。
元利均等返済と元金均等返済については、以下の記事でそれぞれまとめています。
済期間を調整して総支払額を抑えるためのポイント
では最後に、返済期間を調整して総支払額を抑えるためのポイントについて確認していきます。
これまで、借り換え時に借り換え額が増加する要因について説明しましたが、ここではその具体的な対策についてに見ていきます。
返済期間を調整して総支払額を抑える
借り換え時に総支払額の増加を抑えるためには、返済期間の調整が有効です。
具体的には以下3つの方法を検討することができます。
①現在の返済期間を維持する
借り換え後も現在の返済期間を維持することで、利息負担を最小限に抑えることができます。これにより、総支払額を増やさず、月々の返済負担を軽減することが可能です。
➁可能であれば返済期間を短縮する
借り換え時に返済期間を短縮すると、支払う利息の総額を大幅に減らすことができます。月々の返済額は増える場合がありますが、総支払額を抑えたい場合には有効な手段です。
③無理のない範囲で計画を立てる
短期間で返済を終えようとすると、月々の返済負担が増え、生活費や将来の資金計画に支障をきたす可能性があります。そのため、無理なく返済できる範囲で返済期間を設定することが大切です。
借り換えによって返済総額が減る場合もありますが、手続き費用や金利変動で負担が増える可能性もあります。
まずは返済シミュレーションを行い、具体的な状況を把握することが大切です。
まとめ
今回の記事のまとめです。
住宅ローンの借り換えを検討する際、返済額の増加を防ぐためには金利と返済期間の選択が重要です。
総支払額は借入額、金利、返済期間の3つの要素で決まるため、借り換え前に返済シミュレーションを行い、現在のローン条件と比較することが不可欠です。