広告あり タックスプランニング

可処分所得とは?​年末調整の気になる悩み

2024年11月2日

Aki

FP資格を取得したことで、知識が人生を豊かにすることの重要性を実感。 ライフプランニングとファイナンシャルプランに関する情報を発信し、多くの人々がより良い未来を築くためのサポートをしていきたいと考える。 個人事業主様相談サイトLittle Space1を運営。 ご相談可能コンテンツ:FP相談、WEBページ制作、WEBライティング、SEOコンサルティングetc >>>詳しくはこちら<<<

可処分所得って、具体的には手取りとどう違うの?

会社員の場合、年末調整の時期になると、可処分所得が手元に入ったり、また反対に支払ったりした経験があるのではないでしょうか。

実際、会社員は会社が計算を代行してくれるため、可処分所得の仕組みを理解せずに過ごしていることも多いです。

可処分所得とは、税金や社会保険料を引いた後に残る収入で、実際に自由に使えるお金を指します。

この記事では、可処分所得を理解することで得られるさまざまなメリットについて詳しく解説します。

今回の記事で分かること

  1. 可処分所得の基本理解
  2. 可処分所得の計算方法

可処分所得の基本理解

それでは、まず可処分所得の概要を見ていきましょう。

可処分所得の内訳を理解することで、収支管理や将来の貯蓄計画に役立てることができます。

可処分所得とは何か?

可処分所得とは、「所得の中で自由に使えるお金」を指し、具体的には税金や社会保険料を引いた後に手元に残る資金を意味します。

この可処分所得は、生活費や貯蓄、投資など、日常生活や将来に向けて自由に使えるお金です。

収入が高くても、税金や社会保険料などの必要な支出が多ければ、自由に使えるお金は少なくなります。

一方、収入がそれほど高くなくても、必要な支出を抑えることで可処分所得が増え、手元に残るお金が増えることもあります。

Aki
Aki

後ほど詳しく解説しますが、可処分所得の計算式は以下の通りです。

チェックポイント
可処分所得支給合計-(税金社会保険料

可処分所得の内訳

可処分所得の内訳を、ここでは会社員を例に挙げて説明します。

会社員が受け取る給与明細には、以下の4つの主要な項目が記載されています。

支給合計
会社が従業員に支払う基本給や手当などの合計で、「額面」とも呼ばれます。この金額は、税金や社会保険料が差し引かれる前の総収入を示します。

控除合計
所得税や住民税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険など、収入に応じて必ず支払う必要のある費用の合計です。これらは法律で定められており、各種の社会保障制度を支えるために重要な役割を果たしています。

差引支給額
支給合計から控除合計を引いた金額で、実際に従業員に支払われる金額です。この「差引支給額」が可処分所得に相当し、「手取り額」として一般的に知られています。

手当
基本給のほかに支給されるさまざまな手当を指します。手当には役職手当、通勤手当、家族手当、時間外手当などが含まれます。

Aki
Aki

控除は、自身の可処分所得を増やす上で重要な要素です。
所得控除税額控除については、以下の記事で詳しく解説しています。

可処分所得を有効化するメリット

次に、可処分所得を活用するメリットについて考察します。

先ほどお伝えしたとおり、手元にお金を残すためには、収支のバランスを整えることが重要です。

可処分所得を有効化するメリット3つ

可処分所得を有効活用するメリットには、以下の3つが挙げられます。

経済的自由の向上
可処分所得を有効に活用することで、生活費や貯蓄、投資に充てられる資金が増えます。これにより、将来の目標達成や急な出費への備えができるため、経済的自由度が高まります。

生活水準の向上
可処分所得を使って必要な商品やサービスに投資することで、生活の質を向上させることができます。教育、健康、趣味などに投資することで、より充実した生活を送ることが可能になります。

投資機会の拡大
可処分所得を投資に回すことで、将来における資産形成につながります。リスクを分散しながら収益を得ることができるため、将来的な利益が期待できます。

まとめると、可処分所得を増やすことは、それだけ選択肢を広げることにつながります。

たとえば、経済的自由が向上し、生活水準を向上させるための資金が増えることで、より多くの選択肢を得ることができます。

Aki
Aki

資産形成については、以下の記事をご参照ください。
投資を行う上での注意点をまとめています。

可処分所得の計算方法

それでは最後に、可処分所得の計算方法を見ていきましょう。

会社員の給与を例に挙げ、具体的な数字でシミュレーションを行ってみます。

可処分所得の計算式

可処分所得は以下の式で計算されます。

可処分所得 = 収入 - 納付額 - 社会保険料

納付額と社会保険料の計算手順は以下のステップとなります。

給与所得の計算
給与 - 給与所得控除 = 給与所得

課税所得の計算
所得 - 所得控除 = 課税所得

所得税の計算
課税所得 × 所得税率 + 復興特別所得税 = 所得税

納付額の計算
所得税 - 税額控除 = 納付額

可処分所得の算出
給与 - 納付額 - 社会保険料 = 可処分所得(手取り額)

可処分所得のシミュレーション例(会社員の場合)

以下に、例として、会社員の月給35万円を元にした年間の可処分所得の計算を示します。

シミュレーション例
月給:35万円
年間給与 = 35万円 × 12ヶ月 = 420万円

給与所得控除
給与所得控除:120万円(例として)

所得の計算
所得=420万円−120万円=300万円

所得控除
所得控除(基礎控除など):48万円(例として、基礎控除を仮定)

課税所得の計算
課税所得=300万円−48万円=252万円

所得税の計算
所得税 = 課税所得 × 所得税率 + 復興特別所得税所得税
所得税率:10%(例として)
復興特別所得税:課税所得の2.1%復興特別所得税

所得税=252万円×10%+5,292円=25万2,000円+5,292円=25万7,292円

税額控除
税額控除(例えば、住宅ローン控除など):12万円

納付額の計算
納付額=25万7,292円−12万円=13万7,292円

社会保険料
社会保険料:42万円(例として、3万5,000円 × 12ヶ月)

可処分所得の算出
可処分所得=420万円−13万7,292円−42万円
可処分所得=364万2,708円

Aki
Aki

あくまで上記は、会社員の計算の一例です。
実際に計算を行う際には、国税庁などの最新の情報をご参照ください。

参考資料サイト
No.1410 給与所得控除|国税庁

可処分所得の変動要因

先ほどの計算式で示したように、可処分所得が変化する要因には、以下の項目があります。

1. 収入の変動

給与の増減
昇給やボーナス、転職による収入の変動は、可処分所得に直接影響します。
副収入
副業や投資などから得られる収入も、可処分所得を増やす要因となります。

2. 税金

所得税
所得が増加すると課税所得が増え、結果として所得税も増加します。
住民税
所得に応じて住民税も変動し、可処分所得に影響を与えます。

3. 社会保険料

健康保険や年金保険
社会保険料が上昇すると手取り額が減少し、可処分所得にも影響を及ぼします。

4. 控除

所得控除
各種所得控除(基礎控除、扶養控除、医療費控除など)が適用されることで、課税所得が減少し、納税額が減るため、可処分所得が増加します。
税額控除
住宅ローン控除やその他の税額控除も、最終的な納税額を減少させ、可処分所得を増加させます。

Aki
Aki

収入を増やすことも大切ですが、支出を減らすことも同様に重要です。
一度、家計の支出を見直してみましょう。

まとめ

今回の記事のまとめです。

可処分所得とは、「自由に使えるお金」を指し、具体的には税金や社会保険料を引いた後に手元に残る資金を意味します。

収入が高い場合でも、税金や社会保険料などの必要な支出が多ければ、自由に使えるお金は少なくなります。

一方で、不必要な支出を抑えることで可処分所得を増やし、手元に残るお金を増やすことが可能です。

可処分所得は、収入の変動や税金、社会保険料、控除などの要因によって変化します。

そのため、可処分所得を有効に活用することで、経済的自由の向上や生活水準の向上、さらには投資機会の拡大といったメリットが得られます。