老後資金の準備にはさまざまな方法がありますが、その中でも個人年金保険は大切な選択肢の一つです。
ですが、「個人年金保険にはどのようなメリットがあるのか?」や「自身に合った保険をどう選べばよいのか?」といった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、個人年金保険の概要を解説し、そのメリットや選び方についてご紹介します。
将来に備えるための投資としての個人年金保険を理解し、老後に備える知識を一緒に学んでいきましょう。
この記事で分かること
- 個人年金保険の基本情報
- 個人年金保険の種類
- 個人年金保険の選び方

貯蓄が苦手な方でも老後資金を準備できることが、この保険の魅力ですよ!
個人年金保険とは何か?
個人年金保険を活用することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。
まずは、個人年金保険の基礎情報を見ていきましょう。

個人年金保険の主な目的は、公的年金の補完にあります。
個人年金保険の基礎知識
個人年金保険は、将来の年金として定期的に資金を受け取るための積立保険です。
老後資金の準備を目的に、年金受給開始年齢(一般的には60歳や65歳)まで保険料を支払い、その後に積み立てた資金を年金として受け取ります。
個人年金保険の仕組みと特徴
保険料の支払い
契約者は、保険会社に毎月または毎年保険料を支払い、支払い期間は10~20年もしくは年金受給開始年齢までとなります。
積立と運用
支払われた保険料は保険会社によって運用され、老後に向けて積み立てられます。
年金の受け取り
年金受給開始年齢に達すると、積立金を年金として受け取れます。

受け取り方法には、以下3つのタイプがあります。
①終身年金
受取人が亡くなるまで年金が支払われるタイプ
➁有期年金
10年や15年など、一定期間にわたって年金を受け取るタイプ
③確定年金
契約で決めた一定期間(例:10年や20年)にわたって、受取人が生存しているかどうかに関わらず支払われるタイプ
どんなメリット・デメリットがあるの?
個人年金保険のメリットとデメリットを把握しておきましょう。
以下に、それぞれ2つずつ挙げてみます。
個人年金保険のメリット
①老後資金の確保
老後の収入源としての役割が期待できます。
➁税制上の優遇
一定の条件を満たす個人年金保険は「個人年金保険料控除」の対象となり、所得税や住民税の節税効果が期待できます。
個人年金保険のデメリット
①中途解約リスク
保険期間中に解約すると、解約返戻金が支払った保険料よりも少なくなることが多く、損をする可能性があります。
➁インフレリスク
長期間にわたって積立を行いますが、インフレによって将来の受取額の価値が目減りする可能性があります。

個人年金保険は、生命保険料控除の対象です。
参照コラム
・生命保険料控除の算出方法と活用ガイド
個人年金保険の運用方法の種類
個人年金保険は、運用方法によって定額年金保険と変額年金保険の2つに分類されます。
この章では、それぞれの種類の特徴について詳しく見ていきます。

年金制度の三階建てについては、以下のコラムをご参照ください。
定期型個人年金保険
定期型個人年金保険は、契約時に定めた予定利率で支払った保険料が運用され、将来受け取る年金額が確定している保険です。
予定利率とは、保険会社が契約者の保険料を運用した際の利率を指し、契約時に明示されます。
この保険の最大の特徴は、受け取る年金額が事前に決まっているため、将来の資金計画を立てやすい点です。
たとえば、子どもの教育資金を20年間にわたって積み立てるといった具体的な計画が立てやすくなります。
さらに、年金受取開始年齢を設定することで、ライフプランに応じた柔軟な資金計画が実現できます。

ライフプランに合わせた資金計画が立てやすいのが、この保険の特徴です。
合わせて読みたいコラム
・学資保険は何歳まで加入可能?最適なタイミングと注意点を解説
変額型個人年金保険
変額型個人年金保険は、契約者が選んだ投資信託や債券などで運用され、将来受け取る年金額が変動する保険です。
この保険の最大の特徴は、受け取る年金額が運用次第で増減する点です。
資産運用の結果によって、受取年金額が払込保険料総額を上回ることもありますが、逆に市場の影響で受取額が減少するリスクも伴います。
変額型個人年金保険は、資産形成を重視する方に向いており、老後の生活資金や特定の目標(例えば、住宅購入資金や子どもの教育資金)のために資産を増やすことを目指すことが可能です。

資産形成については、以下のコラムをご参考ください。
合わせて読みたいコラム
・ポートフォリオ戦略|資産運用の基本と効果的な組み方
自分に合った個人年金保険の選び方
では最後に、個人年金保険の選び方を見ていきましょう。
個人年金保険の本質は将来の資産形成にありますが、選ぶ際にはいくつかのポイントを考慮することが大切です。
将来における資産形成を意識する
個人年金保険は、基本的な年金に上乗せして資産を積み立てることができる金融商品です。
選ぶ際には、以下の4つのポイントを考慮することが重要です。
- 目的を明確にする
個人年金保険を通じて達成したい目標と期間を明確にし、老後資金や教育資金など具体的な目標を設定することが大切です。 - 保険料の負担を考える
毎月または毎年の保険料が家計に無理なく支払えるかを確認し、長期的に続けられるプランを選ぶことが大切です。 - 運用方法を理解する
定額型と変額型それぞれの特徴やリスクを理解し、予定利率や運用実績を比較検討して商品を選びましょう。 - 保険会社の信頼性をチェックする
保険会社の特徴や評判を調べ、安心して契約できる保険会社を選ぶことも大切です。
保険の見直し相談できるサイト
・FP無料相談の保険チャンネル
専門家に相談することのメリットって?
保険や資産形成に関する相談を身近にできる存在として、ファイナンシャルプランナー(FP)がいます。
FPは、個人のライフプランや資産状況を踏まえ、最適な保険や金融商品を提案してくれる専門家です。
具体的には、FPは個人や家族の目標に合わせた資産形成や保険選びをサポートし、個人年金保険を含む選択肢の総合的な検討を提供してくれます。

FPを活用する場面の一例として、住宅ローンを組む際の借入金の返済額が挙げられます。
詳しくは以下のコラムをご参照ください。
合わせて読みたいコラム
・住宅ローンを借りる前に!返済負担を軽減するためのリスク管理
まとめ
今回の記事のまとめです。
個人年金保険は、主に老後資金の準備を目的とした積立型の保険商品です。
この保険のメリットには、老後資金の確保や税制優遇措置がありますが、一方で中途解約リスクやインフレリスクも考慮する必要があります。
個人年金保険を選ぶ際には、定額型と変額型それぞれの特徴を理解し、ライフプランに合った商品を選ぶことが大切です。