『教育ローンってどんなものがあるの?』
教育ローンにはさまざまな種類がありますが、その中でも教育一般貸付(国の教育ローン)は、主に学生が高校や大学などへの進学・在学にかかる費用をサポートするための国の融資制度です。
一般的に「教育ローン」と呼ばれるこの制度は、学費や生活費、教材費など、教育に関連するさまざまな費用をカバーするために設けられています。
この記事では、教育一般貸付の基本的な仕組みや申請方法、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
この記事で分かること
- 教育一般貸付の概要
- 教育一般貸付を利用することのメリットとデメリット
- 教育一般貸付の申請方法

奨学金とどう違うのか、詳しく学んでいきましょう。
教育一般貸付とは?
教育一般貸付は、誰でも借り入れできるわけではなく、対象となる学生に特定の条件があります。
それでは、まずこの教育一般貸付の概要について確認していきましょう。

ちなみに国の奨学金は、申込時期があらかじめ決められており、在学中の高校や大学などを通じて手続きを行います。
教育一般貸付の基礎知識
教育一般貸付(国の教育ローン)は、主に学生が高校や大学に通うための学費や生活費をサポートすることを目的として、日本政策金融公庫が運営している国の教育ローンです。
高校や大学にかかる費用は数百万円に及ぶことが多いため、この制度を利用することで学生の負担を軽減することが可能です。
教育一般貸付(教育ローン)の特徴は、主に以下の4つです。
①借入可能額
上限350万円までの融資が可能です。
②固定金利
年2.65%の固定金利が設定されています。(令和7年1月時点)
③奨学金との併用
日本学生支援機構の奨学金などと併用して利用できます。
④優遇制度
ご家庭の状況に応じた優遇制度があり、返済条件や金利の面で柔軟な対応が受けられます。
参照サイト
・日本政策金融公庫『国の教育ローンについて』
適用条件
教育一般貸付を利用できるのは、融資対象となる学校に通う学生の保護者(主に生計を維持している方)で、世帯年収が一定の範囲内の方です。
対象となる教育施設は、修業年限が3ヶ月以上で、中学校卒業以上の方を対象としています。
ただし、大学などの特定の課程や学校は対象外となる場合があるため、事前に確認が必要です。

詳しくは、以下のシミュレーションをご活用ください。
参照サイト
・日本政策金融公庫『お申込みシミュレーション』
貸付の金額と利率
教育一般貸付の金利は、借入時点の金利が完済まで変わらない固定金利タイプです。
融資資金の返済は、融資日の翌月または翌々月の希望日から開始され、返済期間は最長で18年に設定されています。
また、元金と利息を合わせた毎月の返済額は返済期間中変動しないように設定されています(元利均等返済方式)。
例えば、融資資金が100万円で、年2.4%、返済期間が10年の場合、毎月の返済額は約10,600円に固定されます。

金利の支払い方法には、主に2つの方法があります
合わせて読みたいコラム
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・元金均等返済の利点とは?計画的なローン返済の第一歩
教育一般貸付を活用するメリットとデメリット
教育一般貸付を利用することで、進学に必要な費用を確保できるというメリットがあります。
しかし、その一方で、将来のローン返済負担が増加するというデメリットも存在します。
次に、教育一般貸付を利用する際のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
教育一般貸付のメリット
教育一般貸付(国の教育ローン)のメリットには、以下の4つがあります。
①固定金利
教育一般貸付は、民間の教育ローンに比べて金利が低めに設定されているため、長期間の返済では総返済額が抑えられる可能性があります。
➁多用途で利用可能
授業料や教材費だけでなく、入学金、下宿費、交通費など、学業に関わる幅広い費用に対応しているため、教育全般にかかる費用を幅広くカバーできる点が大きなメリットです。
③元金据置が可能
在学中は利息のみの返済で、元金返済を据え置くことができるため、学生が卒業するまでの経済的負担を軽減することができます。
④繰り上げ返済が手数料無料
早期に余裕ができた場合、繰り上げ返済が手数料なしでできる点も大きなメリットです。
デメリット
一方で、以下の4つのデメリットがあります。
①返済の負担
卒業後は生活費を賄いながら返済を続ける必要があり、収入が不安定な場合、返済が厳しくなることがあります。
➁信用情報への影響
借入を行うと信用情報に記録され、返済遅延や滞納があると、将来の借入やローン申請に影響を与えることがあります。
③利用条件の制限
国の教育ローンには収入制限や学業成績などの利用条件があり、これらを満たさない場合、借入ができないことがあります。

ライフプランに基づいた返済シミュレーションを行っておくことが、効果的な対策として挙げられます。
FPに無料相談できるサイト
・子育て・教育資金に特化したFP無料相談
教育一般貸付の申請方法
では最後に、教育一般貸付の申請方法について解説します。
申請手続きやそれに伴う必要書類などについて、しっかりと抑えておきましょう。
必要書類の一覧
教育一般貸付の申請に必要な書類は、主に以下の5つです。
①借入申込書
書面で申し込む場合は、申込書を教育ローンコールセンターから取り寄せ、申込者本人が自署します。インターネット申し込みの場合は、申込書の提出は不要です。
➁本人確認書類
運転免許証またはパスポートのコピーを提出します。これらを用意できない場合は、教育ローンコールセンターに問い合わせる必要があります。
③住民票の写しまたは住民票記載事項証明書
世帯全員の続柄が記載された住民票の原本を提出します。
④源泉徴収票または確定申告書(控え)
直近分の源泉徴収票または確定申告書の提出が必要です。
⑤預金通帳や領収書(直近6ヵ月分以上)
住宅ローンや家賃、公共料金の支払い証明として、通帳のコピーと2種類以上の公共料金領収書が必要です。
参照サイト
・日本政策金融公庫『必要書類の準備』
申請時の注意点
融資を受ける前に、返済スケジュールや返済額をしっかりと確認することは非常に重要です。
具体的には、月々の返済額がどのくらいになるのか、返済がどの期間続くのかを把握しておく必要があります。
これにより、生活費や他の支出とのバランスを考え、自身の経済状況に合った無理のない返済計画を立てることができます。
たとえば、収入の変動や突発的な支出が発生する可能性を考慮し、余裕を持った返済額を設定することで、将来的な経済的な負担を軽減できます。
また、返済計画を見直すことができるよう、定期的に自身の収支を確認する習慣を持つことも大切です。

分からないことがあれば、専門家に相談することも有効な方法です。

まとめ
今回の記事のまとめです。
教育一般貸付(国の教育ローン)は、日本政策金融公庫が提供するローンで、主に学生が高校や大学に通うための学費や生活費を支援制度です。
学費は数百万円に及ぶことが多く、この制度を利用することで、学生や家族の負担を軽減できます。