『海外渡航を予定しているけど、最適な保険が分からない』
そんな時に役立つのが、少額短期保険、通称ミニ保険です。
少額短期保険は、保険金額が少額で、保険期間が短期の保険を指します。
特に海外旅行や留学、一時的なイベントに対応した保険で、メインの保険を補完する役割を果たします。
本記事では、少額短期保険の基本的な特徴やメリット、一般的な保険との違いについて解説し、その活用場面について詳しく見ていきます。
この記事で分かること
- 少額短期保険の特徴
- 一般的な保険との特徴の違い
- 少額短期保険の利用シーン

少額短期保険を日常生活でどのように活用できるか、学んでいきましょう。
少額短期保険(ミニ保険)とは?
冒頭でもお伝えした通り、少額短期保険は特定の目的に特化した保険です。
この保険を利用することで、一般的な生命保険に比べて、より手軽に特定のリスクに対応できます。
まず初めに、少額短期保険(ミニ保険)とは具体的にどのような保険かを見ていきましょう。
少額短期保険の特徴
少額短期保険とは、一般的な生命保険や損害保険に比べて、保険金額が少額で保険期間が短期の保険のことです。
少額短期保険の特徴には、主に以下の2つがあります。
①保険料が少額で保険期間が短い
保険期間が数日から数ヶ月と短期間で、低い保険料で加入でき、一時的なリスクに対する手軽な保障を提供します。
➁保険金額の上限が定められている
保険金の支払額に上限があり、高額な保障が必要な場面には向いていませんが、特定のリスクに対する保障手段として利用されます。

下記の図1は、少額短期保険の保険金額上限を示しています。
保険区分 | 保険金額の上限 |
---|---|
死亡保険 | 300万円 |
医療保険(傷害疾病保険) | 80万円 |
疾病等を原因とする重度障害保険 | 300万円 |
傷害を原因とする特定重度障害保険(※1) | 600万円 |
傷害死亡保険 | 300万円(調整規定付き傷害死亡保険の場合は、600万円) |
損害保険 | 1,000万円 |
低発生率保険(※2) | 1,000万円 |
引用:一般社団法人日本少額短期保険協会『少額短期保険業とは』
※1 傷害を原因とする特定重度障害保険の保険金額について
死亡保険、傷害死亡保険または重度障害保険が同時に付保されている場合には、特定重度障害保険の支払額から死亡保険、傷害死亡保険または重度障害保険の支払額を減額されるものに限ります。
※2 低発生率保険について
低発生率保険とは、損害保険のうち、特に保険事故の発生率が低いと見込まれるものであり、個人の日常生活に伴う損害賠償責任を対象する保険(自動車の運行に係るものを除く)をいいます。
少額短期保険のメリット
少額短期保険のメリットには、主に以下の3つがあります。
①低コストで加入できる
保険料が低いため、短期間の保障を求める方やコストを抑えたい方にとって、負担が少なく手軽に利用しやすいメリットがあります。
➁短期間での保障が可能
旅行や出張などの短期的なリスクに適した保障を提供し、必要な期間だけ保険をかけることで無駄な支出を避けられます。
③特定のリスクに対応
旅行中のケガや病気、出張中の事故など、特定の状況に対する保障を選ぶことができるため、個々のニーズに合わせた保険プランが利用可能です。

海外留学保険や葬儀保険は、少額短期保険の一例です。
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・留学保険選びの3つのポイント|海外旅行保険との違いとは?
・葬儀保険にはどんな種類がある?少額で安心のおすすめプランをご紹介
少額短期保険のデメリット
一方で、少額短期保険のデメリットには、主に以下の3つがあります。
①保障額が限られている
少額短期保険は保険金額に上限があるため、高額な医療費が発生した場合、十分な保障が得られないことがあります。
➁契約期間が短い
保険期間が短いため、期間が過ぎると再加入が必要で、保障が途切れるリスクがあります。
③加入条件が厳しい場合もある
一部の少額短期保険は、健康状態や年齢に基づいて加入条件が設けられているため、希望する保障を得られないことや、加入できないケースも存在します。

ちなみに、少額短期保険は生命保険料控除の対象外であることにも注意が必要です。
合わせて読みたいコラム
・生命保険料控除のメリットを最大化するためのガイド
一般的な生命保険との特徴の違い
少額短期保険が特定の目的に特化した保険であることは、ご理解いただけたかと思いますが、
次に、一般的な生命保険との違いについて、補償内容や加入条件を比較しながら見ていきましょう。
保険料設定と補償内容の違い
一般の生命保険は、死亡や病気、事故など幅広いリスクに対応する補償を提供し、契約者のライフステージに応じた多様な保障が可能です。
さらに、保険期間が1年から数十年と長期にわたるため、長期的な安心を得られる点が魅力です。
一般的な生命保険
多様な保障内容
一般的な生命保険では、保障内容が多岐にわたり、長期間にわたる保障を提供します。そのため、保険料は長期的なリスクを考慮して計算されています。
年齢や健康状態による影響
一般的な生命保険では、加入者の年齢や健康状態が保険料に大きく影響し、年齢が高くなると保険料が上がる傾向があります。
特徴の比較まとめ
少額短期保険(ミニ保険)と一般的な保険との特徴の違いの一つが、保険料の設定方法と補償内容の違いです。
以下の図2に、それぞれの特徴の違いをまとめてみます。
特徴 | 少額短期保険(ミニ保険) | 一般的な生命保険 |
---|---|---|
目的 | 特定の目的(例: 旅行保険、葬儀保険など)に特化 | 幅広いリスク(死亡、医療、傷害など)に対応 |
保障期間 | 短期間(数日〜数ヶ月) | 長期間(数年〜終身) |
加入条件 | 健康状態や年齢による制限がある場合あり | 健康状態に基づき、条件が厳しいことがある |
保障内容 | 限定的(特定のリスクや状況にのみ適用) | 幅広い保障内容(死亡、医療、生活保障など) |
税制優遇 | 生命保険料控除の対象外 | 生命保険料控除の対象 |
少額短期保険の活用場面ってどんな時?
では、最後に、少額短期保険の活用場面について見ていきましょう。
具体的に、日常生活のどのような場面で活用するのが最適なのか、さらに詳しく考察していきます。
少額短期保険が活用できる5つの場面
少額短期保険は、さまざまな場面で活用できる柔軟性があります。
そこで、日常生活における具体的な利用シーンを、以下に5つご紹介します。
①旅行や出張時の保険
短期間の旅行や出張時に、特に海外での高額医療費に備えて、手軽に加入できる少額短期保険が役立ちます。
➁短期アルバイトやイベント参加
短期のアルバイトやイベント参加時に、必要な期間だけ労災や事故に対する保険を利用でき、無駄な支出を避けられます。
③子供の学校行事やスポーツ活動
子供が学校行事やスポーツ活動に参加する際、特定の活動に対する保障を選べる点が特に魅力です。
④日常生活のリスク管理
短期的なリスク(例えば、引っ越しや家の修繕作業中など)に備えて、必要な期間だけ保険に加入することが可能です。
⑤新しい趣味や活動を始める際
新しい趣味やアクティビティ(例: スポーツ、DIY、旅行など)を始める際、リスクに備えて少額短期保険に加入することで、万が一の事故に対する保障を確保できます。

少額短期保険は特定の目的に特化した保険です。
すでに加入している保険を補完するために、少額短期保険を活用することができるのもメリットのひとつです。
合わせて読みたいコラム
・少額短期保険(ミニ保険)で取り扱われている保険の種類とは?
まとめ
今回の記事のまとめです。
少額短期保険(ミニ保険)は、保険金額が少額で保険期間が短いため、低コストで特定のリスクに備えることができます。
主に短期間の保障が必要な場合に活用され、既存の保険を補完する形で利用することができます。
デメリットとしては、保障額が限られていることや、契約期間が短い点が挙げられます。