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相続時精算課税制度ってどんな制度?概要や仕組みについての解説

2024年11月6日

Aki

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相続時精算課税制度ってどんな制度?

相続時精算課税制度は、相続や贈与の際に税負担を軽減できる制度として注目されています。

この制度を利用することで、相続が発生する前に贈与を行うことができ、適切なタイミングで資産の移行が可能となります。

本記事では、相続時精算課税制度の概要実際の活用方法について詳しく解説していきます。

この記事で分かること

  1. 相続時精算課税制度の基本的な概要
  2. 相続が発生する前に贈与を行うメリット
  3. 相続時精算課税制度の活用方法
Aki
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この制度を活用することで、最大2,500万円まで非課税で贈与が行えます。

相続時精算課税制度とは

まず初めに、相続時精算課税制度の概要を見ていきましょう。

相続時精算課税制度には、利用者の制限贈与の非課税枠の上限額が設けられており、一般的に利用される暦年課税とは異なる特徴があります。

Aki
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この章では、2つの制度の特徴の違いを押さえておきましょう。

制度の概要

相続時精算課税制度は、親や祖父母が生前に高額な財産を子や孫に贈与する際に利用できる税制上の特例制度で、一度に非課税で財産を移転できるのが特徴です。

この制度の大切なポイントとして、次の3つが挙げられます。

1. 非課税枠の大きさ
累計で2,500万円までの贈与は非課税で、超過分には一律20%の贈与税が適用されます。

2. 対象者の条件
受贈者は18歳以上の子や孫(養子を含む)で、贈与者は60歳以上の親や祖父母に限定されています。

3. 基礎控除の新設(2024年改正)
2024年の改正により、相続時精算課税の適用においても、毎年110万円の基礎控除が新たに導入されました。

参照サイト
利用しやすくなった相続時精算課税について | 日本FP協会

暦年課税との違い

暦年課税(れきねんかぜい)は、毎年の贈与に対して贈与税が課される制度であり、毎年一定の非課税枠内で資産を贈与することで計画的な財産移転が可能になる仕組みです。

暦年課税のポイントには、以下3つが挙げられます。

1. 年間110万円の非課税枠
贈与者から受贈者への贈与額が年間110万円以内であれば贈与税は発生せず、家族間で少額ずつ定期的に財産を移転する際に有効な制度です。

2. 累進課税の適用
贈与額が年間110万円を超えた場合、超過分に対して累進課税に基づく贈与税が課税されます。

3. 受贈者による税率の違い
受贈者が直系尊属(親や祖父母)から贈与を受けた場合と、それ以外の贈与では、適用される税率が異なります。

参照サイト
No.4103 相続時精算課税の選択|国税庁

贈与対象となる財産

相続時精算課税制度で贈与可能な財産には、以下のような財産が含まれます。

現金
現金の贈与も対象です。

不動産
土地や建物などの不動産も制度の対象となります。

有価証券
株式や投資信託などの金融資産も対象として認められています。

その他の財産
貴金属、骨董品、車などの動産も贈与財産として扱えます。

Aki
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ただし、贈与した財産は相続時に再評価され、相続税の課税対象となるため注意が必要です。

相続税について相談できるサイト
相続税に特化したFP無料相談

相続時精算課税制度を活用することのメリット

相続時精算課税制度は、活用することで税負担を軽減できる場合もありますが、逆に予期せぬ税負担が発生することもあります。

次に、この章では、相続時精算課税制度を利用するメリット・デメリットについて確認していきましょう。

メリット

相続時精算課税制度を活用することには、以下3つのメリットがあります。

累計で2,500万円まで非課税
累計2,500万円までの贈与が非課税となり、高額な財産を一度に移転できるため、通常の暦年課税よりも多くの資産を早期に移転することが可能です。

相続税の軽減
生前に資産を移転することで、受贈者の財産評価が低くなることが期待できます。

計画的な資産移転
生前に資産を移転することで、相続時の家族間のトラブルを避け、円滑な相続が実現できる可能性があります。

Aki
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相続時精算課税制度は、将来値上がりしそうな財産を贈与する際に贈与税を回避しつつ相続税負担を軽減するために有効です。

相続税について相談できるサイト
相続税に特化したFP無料相談

デメリット

一方で、相続時精算課税制度には、以下3つのデメリットがあります。

選択の制約
相続時精算課税制度を一度選択すると暦年課税に戻せないため、贈与額が少ない場合や相続時に必要な資産を考慮する際は慎重な判断が必要です。

追加コストの発生
不動産の生前贈与では、登録免許税や不動産取得税が発生し、贈与税や相続税以外のコスト負担が増えます。

年齢制限のハードル
贈与者は60歳以上の親または祖父母に限定されるため、若い世代の親が子に贈与する際には利用できない可能性があります。

Aki
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相続時精算課税制度を選択する際には、暦年課税に変更できないことに注意が必要です。

合わせて読みたいコラム
3つの相続方法を比較!単純・限定・相続放棄の選び方ガイド

相続時精算課税制度の活用方法

これまで相続時精算課税制度の基本的な概要と特徴を見てきました。

では、最後に、相続時精算課税制度の活用方法を見ていきましょう。

相続時精算課税制度における贈与税の計算方法

相続時精算課税制度における贈与税の計算方法は次の通りです。

課税対象額(その年に贈与を受けた財産価格の合計ー110万円)ー2,500万円
贈与税額課税対象額×20%

各要素の説明

  1. 贈与を受けた財産の価額の合計
    その年に受け取ったすべての贈与の評価額を合計します。
  2. 基礎控除額
    毎年110万円は非課税として扱われ、贈与額がこの金額を超えた部分が課税対象となります。
  3. 特別控除額
    最大で2,500万円の特別控除が設定されており、既に適用した金額がある場合は、その金額を差し引いた残額が控除対象となります。
  4. 税率
    最後に、残った課税対象額に20%の税率が適用されます。
Aki
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次の章で具体例を見てみましょう!

相続時精算課税制度のシミュレーション事例

先ほどの計算式を使用して、実際の課税額を求めてみましょう。

前提条件

贈与額3,000万円
基礎控除額110万円
特別控除額2,500万円
贈与税率20%

計算の流れ

基礎控除額を引いた後の金額
3,000万円 − 110万円 = 2,890万円

特別控除額を引いた後の金額
2,890万円 − 2,500万円 = 390万円

贈与税額の計算
390万円 × 20% = 78万円

Aki
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上記は、あくまで計算の一例です。
詳しくは国税庁のサイトまたは専門家にご相談ください。

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まとめ

今回の記事のまとめです。

相続時精算課税制度は、親や祖父母が生前に子や孫に最大2,500万円まで非課税で贈与できる特例制度です。

ただし、受贈者は18歳以上の子や孫、贈与者は60歳以上の親や祖父母に限られます。

この制度は計画的な資産移転を可能にしますが、一度選択すると暦年課税に戻すことができないため、慎重な判断が求められます。