『インデックス投資ってよく聞くけど、何に投資できるの?』
NISAなどの投資信託を始めると、インデックス投資という言葉を耳にすることが多いでしょう。
インデックス投資にはさまざまな種類があり、どのインデックスを選ぶか、またどの投資方法を採用するかは重要な選択となります。
本記事では、インデックス投資の基本的な仕組みから、その種類や選び方のポイントまでを詳しく解説します。
この記事で分かること
- インデックス投資を始める前に確認すべきポイント
- インデックス投資の種類
- インデックス投資の選び方
インデックス投資を始める前に確認すべきポイント
それではまず最初に、インデックス投資を始める前に確認すべきポイントについて見ていきましょう。
どの投資にもリスクが伴いますが、インデックス投資も例外ではありません。
投資を始める前には、予想されるリスクを理解し、適切なリスク管理の方法を考えておくことが重要です。
ちなみにインデックスとは、金融市場の動向を示す指標です。
インデックス投資の概要
インデックス投資とは、特定の株価指数(インデックス)に連動する投資信託やETF(上場投資信託)を利用して、広範な市場に分散投資する方法です。
代表的なインデックスには、米国の「S&P 500」や日本の「日経平均株価」などがあります。
この投資方法の特徴は、個別の株式を選ぶことなく、市場全体の動きに連動して投資を行うため、リスクを分散しやすい点です。
また、低コストで運用できるため、長期的な資産形成を目指す投資家に適しています。
インデックス投資の詳細については、以下の記事をご参照ください。
リスク管理の方法と投資スタンス
インデックス投資の基本的なリスク管理方法は「分散投資」です。
複数の資産クラスや地域に分散して投資することで、特定の市場や資産クラスの不安定な動きによるリスクを軽減できます。
国内株式と海外株式の分散
日本国内の株式と、米国株や欧州株など海外の株式市場に投資することで、地域ごとのリスクを分散します。
資産クラスの分散
株式だけでなく、債券やREIT(不動産投資信託)など、異なる資産クラスに投資することで、リスクを分散させることができます。
地域の分散
アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど、異なる地域のインデックスに投資することで、地域ごとの経済や市場の動向に左右されるリスクを減らします。
インデックス投資の種類
先ほどの章で、インデックス投資の基本的なリスク管理方法は分散投資であると述べました。
そしてインデックス投資にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴や投資スタンスがあります。
この章では、インデックス投資の種類について詳しく解説します。
株式インデックス投資
株式インデックス投資は、株式市場全体を対象にした投資方法です。
代表的なものには、次のようなインデックスがあります。
米国株式インデックス(例:S&P 500、NASDAQ 100)
アメリカの大企業500社を代表するインデックス(S&P 500)や、テクノロジー関連企業に特化したNASDAQ 100があります。
日本株式インデックス(例:日経225、TOPIX)
日本の主要企業を対象にした日経225や、東京証券取引所に上場している全銘柄を対象にしたTOPIX(東証株価指数)があります。
新興国株式インデックス(例:MSCIエマージング・マーケット)
新興国の株式市場をカバーするインデックスで、例えばブラジルや中国、インドなどの企業が含まれます。
債券インデックス投資
債券インデックス投資は、債券市場に分散して投資する方法です。
主に次の種類があります。
米国債券インデックス(例:バークレイズ・米国総合債券インデックス)
米国の国債や社債、地方債などを対象にしたインデックスです。
グローバル債券インデックス
世界中の債券市場を対象にしたインデックスで、先進国債券や新興国債券が含まれます。
不動産(REIT)インデックス投資
REIT(不動産投資信託)インデックス投資は、不動産市場に関連する銘柄に投資する方法です。
REITは不動産を所有して賃貸収入を得る企業に投資します。
米国REITインデックス(例:FTSE NAREIT All REITs Index)
米国のREIT市場全体を対象にしたインデックスです。
グローバルREITインデックス
世界中のREITに投資するインデックスで、アメリカ以外にも欧州やアジアのREITが含まれます。
J-REITインデックス
日本のREIT市場を対象にしたインデックスで、日本国内の不動産に投資するものです。日本の不動産市場に特化した投資が可能です。
商品(コモディティ)インデックス投資
商品インデックス投資は、金や原油、農産物などの商品の市場に分散して投資する方法です。
金(ゴールド)インデックス(例:S&P GSCI Gold Index)
金を中心に投資するインデックスです。
総合商品インデックス(例:S&P GSCI、Bloomberg Commodity Index)
原油や農産物、金属などの複数のコモディティに投資するインデックスです。
地域別インデックス投資
地域別インデックス投資は、特定の地域や国の株式市場や債券市場に投資する方法です。
アメリカ株式インデックス
米国市場の株式に投資するインデックスです(例:S&P 500、Russell 2000)。
欧州株式インデックス
欧州の主要な株式市場(例:Euro Stoxx 50)に投資するインデックスです。
アジア株式インデックス
アジアの主要な市場(例:MSCIアジア太平洋)に投資するインデックスです。
インデックス投資は目的や手法に応じて組み合わせる
前章ではインデックス投資の種類についてご紹介しました。
インデックス投資は目的や手法に応じて、複数の種類を組み合わせることが可能です。
この章では、インデックス投資の選び方について解説します。
目的別に応じた組み合わせ例5つ
インデックス投資は、投資目的や投資手法に応じて複数のインデックスを組み合わせることができます。
これにより、リスクの分散やリターンの最大化が図れるため、投資家の目標に合わせた柔軟な投資戦略を立てやすくなります。
ここでは例として、以下の5つの目的別に応じた組み合わせ例を提示します。
①リスク分散のための地域分散
目的
世界経済の成長を取り込みつつ、地域ごとのリスクを分散したい。
組み合わせ例
・世界株式インデックス(米国株、欧州株、アジア株などを含む)
・日本株インデックス(日本国内市場に投資)
メリット
特定地域や国に依存せず、安定したリターンを目指すことができる。
➁安定的なリターンを求める
目的
穏やかなリスクで安定的なリターンを得たい。
組み合わせ例
・株式インデックス(例えば、S&P 500、日経225など)
・債券インデックス(米国債券、日本国債券、グローバル債券など)
メリット
株式の成長性と債券の安定性を組み合わせることで、リスクを抑えつつ安定的なリターンを目指す。
③成長重視の高リスク・高リターン戦略
目的
高いリターンを狙いたい、リスクを取れる投資家向け。
組み合わせ例
・米国株式インデックス(特に成長株に投資)
・新興国株式インデックス(インド、ブラジル、中国など)
メリット
高成長を期待できる市場に積極的に投資することで、リターンの最大化を目指す。
④インフレ対策としての不動産投資
目的
インフレに強い資産を持ちたい。
組み合わせ例
・REITインデックス(米国REIT、グローバルREIT、日本REITなど)
メリット
不動産市場への投資を通じて、インフレ時に強いリターンを狙うことができる。
⑤長期的な資産形成
目的
定期的な積立投資で長期的に資産を増やす。
組み合わせ例
・世界株式インデックス
・債券インデックス(安定した運用が期待できる)
メリット
長期で分散投資を行うことで、資産形成を計画的に進めることができる。
上記の組み合わせ例はあくまで一例に過ぎません。
実際の投資の組み合わせは、各投資家のリスク耐性、投資期間などに応じて調整することが重要です。
まとめ
今回の記事のまとめです。
インデックス投資の基本的なリスク管理方法は分散投資です。
分散投資を行うことで、特定の市場や資産クラスの不安定な動きによるリスクを軽減できます。
国内外株式の分散
日本株と米国株、欧州株などの海外株式を組み合わせることで、地域ごとのリスクを分散します。
資産クラスの分散
株式、債券、REIT(不動産投資信託)など、異なる資産クラスに分散投資します。
地域の分散
アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど、異なる地域のインデックスに投資することで、地域特有のリスクを減らします。
インデックス投資は、投資目的や投資手法に応じて、複数の種類を組み合わせることが可能です。
そのため、リスクを抑えつつリターンを最大化するために、自身に最適な組み合わせを選ぶことが重要です。