養老保険は、万が一の備えと貯蓄を兼ね備えた保険として、多くの方に利用されています。
しかし、契約内容によっては想定外のリスクや手数料が発生することもあります。
契約後に後悔しないためには、あらかじめ注意すべきポイントを理解し、最適な選択ができるよう備えることが大切です。
本記事では、養老保険の契約時に押さえておきたい重要なポイントについて、分かりやすく解説していきます。
この記事で分かること
- 養老保険の概要
- 養老保険の種類
- 養老保険の契約時に注意すべきポイント
養老保険とは?
まず最初に、養老保険の基本的な特徴について見ていきましょう。
定期保険や終身保険は耳にする機会が多い保険ですが、養老保険はあまり馴染みがないという方も少なくありません。
そこで初めに、養老保険の特徴を一緒に学んでいきましょう。
定期保険や終身保険については、以下の記事で詳しくまとめています。
養老保険の基本的な特徴
養老保険は、万が一の死亡保障と老後資金の積み立てを同時に実現できる保険商品です。
養老保険の特徴を、次の3つのポイントにまとめました。
①保障と貯蓄の両立
保険期間中に被保険者が亡くなった場合には死亡保険金が支払われ、契約満了時には満期保険金が支払われます。そのため、リスクに備えながら資産を形成したい方に適しています。
➁満期時に払い込んだ保険料が戻ってくる
養老保険の大きな特徴のひとつは、満期まで保険を継続した場合に、払込保険料が戻ってくる点です。これにより、掛け捨てが気になる方でも貯蓄として利用でき、満期保険金を将来の生活資金として活用できます。
③保険料は比較的高め
養老保険は保障と貯蓄を兼ね備えているため、定期保険などと比べて保険料が高く設定されています。その分、保障内容が充実していますが、保険料負担が大きくなる点には注意が必要です。
養老保険の種類
養老保険の種類は主に、以下の3つがあります。
①定額型養老保険
定額型養老保険は、契約時に決まった保険金額が契約期間中も変わらない保険です。満期保険金や死亡保険金が一定額で支払われるため、貯蓄計画を立てやすいというメリットがあります。
➁変額型養老保険
変額型養老保険は、運用結果によって保険金額や満期金が変動するタイプです。支払った保険料が投資信託などで運用され、その成果に応じて受取金額が増減します。市場の成績によってリターンが大きくなる可能性がありますが、逆に元本割れのリスクもあります。
③外貨建て養老保険
外貨建て養老保険は、ドルやユーロなどの外貨で保険料を支払い、保険金も外貨で受け取るタイプの保険です。為替変動によって受取金額が増える可能性がある反面、為替リスクも伴います。
養老保険は、生命保険料控除の対象となります。
会社員の方は、年末調整を通じてこの控除を適用することができます。
養老保険のメリットとデメリット
次に、養老保険のメリットとデメリットについて見ていきます。
この章では、養老保険を活用することの具体的な利点や欠点、さらにどのような人に特に適しているかを掘り下げていきます。
養老保険のメリット(保障と貯蓄の両立)
養老保険のメリットには、以下の3つがあります。
①保障機能
契約期間中に被保険者が亡くなった場合、指定された受取人に死亡保険金が支払われます。そのため、家族や大切な人の生活を守るための保険としての基本的役割を果たします。
➁貯蓄機能
契約満了時には、死亡保障と同等の満期保険金が支払われ、満期まで保険を継続した場合には払い込んだ保険料が戻ってきます。これにより、長期的な資金の積み立てが可能となります。
③ライフステージに応じた利用
養老保険は、ライフステージの変化に応じて柔軟に活用できます。子どもの教育資金、住宅購入資金、老後資金など、将来必要になる資金に備えるための選択肢として利用できます。
貯蓄性の高い保険として、学資保険や医療保険(貯蓄型)などがあります。
それぞれの特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。
養老保険のデメリット(解約リスク)
養老保険のデメリットには、以下の3点が挙げられます。
①解約リスク
養老保険は長期的な契約であるため、途中で解約する場合、受け取れる返戻金が契約初期に比べて大幅に少なくなる可能性があります。特に、解約返戻金は契約から数年経過しないと増えないため、急な資金需要が発生した際に解約すると、損失を被るリスクがあります。
➁満期による保障の終了
養老保険は契約満了時に満期保険金が支払われますが、その時点で保障も終了します。更新ができないため、保障が必要な場合には他の保険への切り替えを検討する必要があります。
③保険料が割高
養老保険は一般的な定期保険や終身保険と比べて保険料が高く設定されています。このため、保険料の負担が大きくなり、家計に与える影響が出やすくなる可能性があります。
保険を最適化する方法の一つとして、キャッシュフロー表を活用して家計の収支を見直すことが有効です。
養老保険の契約時に注意すべきポイント
最後に、養老保険の契約時に注意すべきポイントについて考えてみたいと思います。
養老保険を検討する際には、具体的にどの点に気を付けるべきでしょうか。
そのポイントについて解説していきます。
契約期間と保険料負担のバランス
養老保険は、契約期間が満了すると保険金を受け取れる貯蓄型保険で、保障と貯蓄の両方の機能を備えています。
そのため、契約時のチェックポイントとして、契約期間や保険料に注意が必要です。
①契約期間の設定
契約期間を短くすると早く保険金を受け取れますが、その分、保険料が高くなりやすい傾向があります。長期契約では保険料は抑えられるものの、保険金の受取が遅くなるため、家族のライフプランに合わせて適切な期間を設定することが重要です。
➁保険料負担のバランス
養老保険の保険料は高めに設定されています。無理なく継続できるよう、家計のバランスを考え、支払可能な範囲で契約することがポイントです。また、収入に対して保険料が負担になりすぎないよう、キャッシュフロー表を作成して収支のバランスを把握しておくことも大切です。
キャッシュフロー表は、個人や企業の資金の流入と流出を可視化するための財務ツールであり、家計の見直しにも活用できます。
解約返戻金とそのリスクについて
解約を選択する際は、解約返戻金だけでなく、将来的な保険金やライフプランとのバランスを考えることが重要です。
以下に、解約返戻金を受け取る際のポイントを2つ挙げます。
①解約時期による返戻金の減少
養老保険は、契約初期の頃は解約返戻金が少なく設定されていることが一般的です。特に契約後の数年間に解約すると、支払った保険料に対して返戻金が少なくなる場合があります。
➁長期的な資産運用の不確実性
養老保険は貯蓄性が高いですが、利率や市場環境に影響されることがあります。長期間保有することで解約返戻金が増えることもありますが、途中で解約すると損失が生じる可能性があるため注意が必要です。
養老保険の解約を選択する際には、ライフプラン表の作成を検討してみましょう。
ライフプラン表は、将来の生活設計や資金計画を可視化するための重要なツールです。
まとめ
今回の記事のまとめです。
養老保険は、死亡保障と老後資金の積立を同時に行える保険です。
契約期間中に亡くなった場合、死亡保険金が支払われ、保険期間が終了する満期時には、死亡保険金と同額の満期保険金が支払われます。
これにより、掛け捨てを心配することなく貯蓄としても活用できます。
ただし、保険料は比較的高めに設定されており、契約期間と保険料のバランスを慎重に考慮することが重要です。
また、解約時には返戻金が少ない場合があるため、解約返戻金リスクについても理解しておく必要があります。
養老保険には、定額型、変額型、外貨建ての3種類があり、ニーズに応じて最適なタイプを選ぶことができます。